2) 園 路
この公園利用の中心は、園路を巡りながら環境を楽しんだり、自然や歴史的な事象を学ぶことであり、利用と一体化した園路の役割は最も重要となる。またその善し悪しは、利用の快適性や環境に影響を及ぼし、公園の質の問題にかかわってくる。
園路の設定や造成には、環境へのインパクト、景観とのマッチング、利用形態、利用頻度、歩きやすさ、管理の手間などの課題を念頭に入れて、コースに見合った整備の方法を検討する必要がある。ここでは以下の事項を前提に整備を進める。
・基本的には既存の歩道を使用し、コースを合理的に取り回す場合や新たな資源を見せるための演出が必要な場合に限り、園路を造成する。形も変えない。
・既存の歩道は基本的には現状を変えず、そのまま生かす。
・センター施設を起点にした大武堤から新堤にかけての園路は、車椅子の乗り入れを前提とした「多機能型歩道」にする。また、小森山支群までのコースも多機能型歩道を検討し、物理的に可能であれば延長する。
・多機能型歩道の整備方法は、環境や地盤の条件に応じて、透水性舗装と木道を使い分ける。
・利用頻度の高いコース、貴重植物群落、湿原、ぬかるみが生じやすい部分などを通るところでは、植生帯への踏み込みを防止するため、環境に応じて、透水性舗装、土壌系舗装、木道等を使い分ける。
・貴重植物群落や湿原など、とくに植生保護が必要なところは、人止柵を設けたりコースを迂回させるなどの処置を取る。
・木道は歩道の線形に合わせやすくするため、ひと組みの長さを2mにする。