◆B地区
・大武堤と長堀に挟まれた農地で、県道からの到達距離がやや長い。
・対象地域内の道との関係から、A地区に比べると周回利用や管理はややしにくく、工夫が必要になる。
・緑地や山で囲まれた感じで落ち着きはあり、ロケーションも比較的良い。
・土地が広いため使い勝手がよく、溜池も近いため、拠点を総合的に使うのにはたいへん適している。
◆C地区
・大武堤と新堤に挟まれた末利用の農地で、県道からの到達距離がB地区よりさらに遠い上に、アクセスの取り回しもしにくい。
・周回利用や管理はB地区と同様しにくく、さらに工夫が必要となる。
・山に囲まれた感じで大武堤の水面も見え、落ち着いた環境でロケーションもたいへん優れている。ただし、土地が限定されているため、拠点の総合利用は物理的な点でやや難がある。
以上のことから候補地を絞り込むと、県道からの到達距離がやや長いという問題はあるものの、ロケーションがまずまずで弾力的な土地の使い方が可能な「B地区」が、活動拠点の適地として認められる。
2) 公園区域の設定
対象地域は、今後の保全と活用を目的に、行政による土地の買収が進んでいる。公園は本来、管理者がその土地を所有していることが望ましく、そういう意味では、対象地域を公園として生かしていくための基盤はほとんど出来上がっているといえる。したがって、この買収範囲をそのまま公園区域とすれば、計画を進める上で最も都合はよい。しかし、古墳群はよしとして、もうひとつの特性である優れた自然環境を保全するという課題をクリアし、環境の多層的価値を生かすためには、土地買収範囲に限定することなく公園区域を設定することが望ましい。
ここでは土地買収範囲外の、優れた自然、緑地、歴史環境、利用上必要な土地などを含めて公園区域を設定する。