第7章 駅用直角二方向エレベーターの評価
前6章で説明したモデル駅に設置した駅用直角二方向エレベーターの評価をした。
7.1 使用上の評価
駅用直角二方向エレベーターは、メーカーにて製品開発を行い、試作実機を製造した。試作実機は、エレベーターメーカーの工場内に据付け評価した。この駅用直角二方向エレベーターの試作実機は、委員会メンバー及び車いす使用者に試乗してもらい、実用性、利便性等に関する意見を聴取して評価した。
この試作機の評価結果を織り込み、モデル駅に設置する駅用直角二方向エレベーターの仕様の詳細を設定した。
モデル駅における駅用直角二方向エレベーターは、平成9年12月に稼働し、一般利用者及び車いす使用者並びに委員会メンバーにて、試乗して評価した。この評価要領および評価結果の詳細については添付参考資料に示す。
これらの評価結果では、車いす使用者、高齢者、及び一般利用者とにとって、利用面において、改良を要する仕様はなく実用に供することが出来ると判断した。
以下に、調査結果集計表及び調査表に記載された意見を基に評価結果の概要を以下に記す。
(1)出入口
かご室及び乗場の出入口の幅および位置等に関して、概ね問題なしと評価を得た。改善要望事項はなく問題はないと考えられる。
(2)出入口の戸の開閉時間等について
出入り口の戸の戸開閉速度(戸の移動速度)および、戸開放時間(戸が開いている時間)とも、概ね適正であるとの評価を得た。
一部の委員から、健常者のみが利用する場合には、戸開放時間の標準設定時間の10秒は長いが、戸閉めボタンで閉まるので利用上において支障は無いとの意見があった。
以上より、改良をする要素はないと考えられる。
(3)乗場ボタン
乗場ボタンの設置位置および高さについては概ね問題なしとの評価を得た。
「左右両側にボタン等が設置されればユニバーサルデザインとなる」との意見があった。ボタンの大きさについては概ね問題なしとの評価を得たが、「ボタンはもっと大きい方が扱いやすい」との意見があった。
(4)かご室
かご室の広さ(乗場よりの乗り易さ、およびかご室内から乗場への降り易さ)は、概ね問題なしとの評価であった。車いす使用者より「一方向のエレベーターより乗降し易い」との意見があった。
一部の委員から、「天井高さが低い」との意見があった。