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なお、貫通2方向出入口の場合は、車いす使用者がかご室内で回転する必要がないので、手すりの出っ張り寸法を配慮して、間口1.1m以上、奥行1.35m以上あればよい。

これらは、少なくとも、車いす使用者と介添者及び駅務員(車いす使用者+2人)が同乗できる広さである。

また、かご室天井高さは、オーバーヘッド寸法の制約が厳しい中でも、ゆとりある空間にすべく、2.1m以上とするのが望ましい。

(7)出入口方式

エレベーターの出入口の方向は、プラットホームでは、線路と平行方向に出入するように配置することが望ましい。これにより、プラットホーム上の他の旅客流動を阻害することが少なく、又エレベーター利用者は線路に相対することがなく、安全性が確保できる。

一方、コンコースや跨線橋等の通路における旅客の流動方向は、多くの場合、線路と直角方向であり、エレベーターの出入口の方向はコンコースに面した方向である線路と直角方向に出入するように配置することが望ましい。

従って、上記に対応したエレベーターはプラットホームとコンコース階ではエレベーターの出入口の平面的な位相を90度変える必要が生じる。

よって、開発するエレベーターは、過去、駅舎に設置実績のない直角二方向出入口方式とする。

(8)定格速度

このエレベーターは、主に車いす使用者等の移動制約者の移動の便に寄与することを目的としているが、併せて、一般の旅客にとっても利用し易いようにするため、あまり速度の遅いものは望ましくない。よって、定格速度は一般的に駅舎での実績が多い45m/minとする。

(9)積載荷重

このエレベーターには不特定の人が多数乗車することが予想されるので、積載荷重の計算根拠は、建築基準法施行令第129条の13第2項によることにした。

即ち、床面積が1.5m2以下のものは、床面積1m2につき370kgとして計算した数値以上、床面積が1.5m2をこえ3m2以下のものは、床面積1.5m2をこえる面積に対して1m2につき500kgとして計算した数値に550kgを加えた数値以上とする。開発するエレベーターは、積載荷重を600kg、定員9名とする。

(10)停止数及び昇降行程

停止数は、通常の駅舎では2箇所停止であれは十分であるが、地上、コンコース及びホームなどの多層化した駅舎にも対応できるよう、最大3箇所停止まで可能とした。これに伴い、昇降行程は最大13mまで可能とする。

 

 

 

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