のかなと思います。
しかし、できたばかりでございます。これから市場評価である方向に統一していくのも可能かと思います。これもどれぐらい普及するかにかかってくるのではないかと思います。
2. ノンステップバスは誰のために
車の話から離れまして、大きな話を考えてみたいと思います。ノンステップバスはだれのためにあるのか。これは先ほど秋山先生から詳しくご説明がございました。車いすを使われている障害者、肢体不自由の方のためにあるのか。あるいは高齢者、交通弱者の方々のためにあるのか。あるいは一般の健常者が使うものを考えていくのか。
秋山先生のお話にありましたように、ユニバーサルデザインという考え方もありますけれど、それぞれについて考えますと、どういう構造にしたらいいのか、多少変わってくる部分もございますので、その辺のコンセプトはもう少し明確化する必要があるかと思います。
わが国ではノンステップバスの位置づけをどちらからというとリフトパスと同種の車いす対応車として考えられることが多いようです。本日のセミナーのポスターもそのような位置づけから作られたように思われます。しかし私は万人向けの次世代の普通のバスとして捕らえています。特別なバスではなく普通のバスとして今後普及が望まれるものです。
そのようななかで私としては特に高齢者のモデリティ向上への役割に期待しています。
また、あとで事業者さんからお話があるかと思いますが、ノンステップバスでは乗降のスピードが上ります。バス停に止まって乗り降りしていると、後ろに車がずらっとつながってしまいますが、そういうのが少しでも解消できれば、対環境という意味でも渋滞解消につながると思います。
3. ノンステップバスの効果
国産のノンステップバスは、聞くところによりますと普通のバスに比べて1台あたり約600万円ぐらい高いと言われております。10年、12年バスを使うとして、金利など一切考えないで約600万円アップを非常に乱暴に計算してみますと、1年あたり50万円ぐらい高い計算になります。それをさらに12で割ると、1か月4万円ぐらいです。これを導入しますと、1日1,400円ぐらい収入が増えないといけない。運賃200円として7人分ですので、これは少し頑張ればできる数値なのかなと思います。
一方、先ほど秋山先生から福祉のほうの関係のお話がございました。スペシャルトランスポートと呼ばれている、いわゆるチェアキャブの移送サービスが1回当たり約6,000円かかるということです。スペシャルトランスポートを1か月に8回分ぐらいバスに転換できれば、1か月4万円アップは回収できると見ることもできます。