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さらに街づくりの方向といたしましては地域全体の均衡ある発展を配慮しながら都心・副都心地区に商業機能やコンベンション機能、 行政機能などの集積を図り、 大都市としての都市機能を強化するようにしております。 また、 この構想では快適居住都市を第一番目の都市像として掲げており、 環境に配慮した快適な生活環境の確保を重要な課題と位置づけております。 また、 本市は、 昭和30年代以降の経済の高度成長と都市化の進展の中で、 厳しい環境汚染を経験しました。 しかしながら、 市民・事業者・行政が一体となってこの公害克服に取り組んだことによりまして環境は大幅に改善が進みこの結果二酸化硫黄や降下煤塵などによる大気汚染及び有害物質などによる水質汚濁については概ね環境基準を達成しております。 しかしながら、 自動車交通に起因します騒音等の自動車公害につきましては依然として改善の兆しが見受けられないのが現状でございます。 ここで北九州市におけます交通需要マネージメント施策でありますが、 自動車交通に過度に依存しましたライフスタイルが都市のスプロール化、 エネルギーの多大な消費、 環境汚染など広範な社会問題を発生させているとの認識から車依存の少ない都市と交通を目指す動きが世界的に進んで来ております。 本市におきましても例外ではなく、 自動車交通がもたらした道路渋滞、 など大気汚染、 交通環境問題の解決が 「快適居住都市」 を実現する上でも緊急かつ重要な課題であると考えています。 そこで環境に優しい交通体系を構築する為に都心部への車の流入を抑制する施策をハード・ソフトの両面から実施すると共に都心部での車の流れを円滑にする為の駐車場案内システムの導入や違法駐車禁止条例の施行などの対策を展開しているところです。 北九州市におきましても全国の例に漏れず、 交通需要が道路整備を上回るスピードで増加しており、 従来のバイパスの整備や交差点改良などの交通容量拡大策だけでは費用や時間的な制約などにより渋滞対策としての早急な効果は期待できない状況になっています。 そこで平成4年の小倉都心部での一方通行解除及び砂津〜黒崎間の路面電車廃止を契機にソフト施策としての交通需要マネージメントに取り組み始め、 現在まで数々の試行実験にも取り組み、 実施も行ってきております。 今回は、 今まで本市が行ってきました 「パークアンドモノライド」 などの試行実験の概要及び効果、 また、 これから予定しております 「都心循環バスの試行実験」 などの今後の取組状況について紹介していきたいと思います。 TDM交通需要マネージメント施策取組の経緯といたしましては、 24ページにありますようにまず平成4年10月。 砂津〜黒崎間の路面電車の廃止に伴います代替バスの運行開始に合わせてバス専用レーンの設置、 及びカラー舗装化を開始いたしました。 現在、 専用レーンは20区間。 約42キロメートル。 カラー舗装は約5キロメートルが整備されており、 今後も必要な個所から順次整備を進めていく予定にしております。 次に平成5年の9月でありますが、 モノレール小倉線、 競馬場前駅に隣接します小倉競馬場立体駐車場を平日解放し、 中央競馬会としては全国初の 「パークアンドライド駐車場」 を導入いたしました。

 

 

 

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