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はじめに

私たちは、エネルギーを得るために、石油、石炭、天然ガスを燃やして二酸化炭素(CO2)を発生させ、大気中に放出してきました。大気中の水蒸気やCO2などの気体は、太陽からの光の大部分を透過させ、地表面から放出される赤外線を吸収して大気を暖める働きをしています。

これらの気体は、あたかも温室のガラスのような役目をしていることから、温室効果ガスと呼ばれています。大気中の温室効果ガスの濃度が高くなると温室効果が強まり、気温もそれだけ高くなると心配されています。これが地球温暖化です。

地球温暖化が進めば、21世紀末には地球全体の気温が1990年より約2℃、海面が約50?上昇し、豪雨や渇水の増加、熱帯・亜熱帯地域での食糧生産の低下、マラリアの患者数の増加、地球の全森林の3分の1で現存の植物種の生育が困難となる等の被害をもたらすことが指摘されています。

このような地球温暖化の影響は、我々の世代で早急に対策を講じないと、次世代により深刻な影響を及ぼすもので、その時点で対策を行っても既に回復困難となってしまいます。従って、早急に対策を講ずる必要があります。

運輸部門では、エネルギー消費に占める石油の割合が約98%であり、温室効果ガス対策は、CO2排出抑制対策が中心となります。

また、CO2抑制の施策は、エネルギー消費削減のための施策や、地域的な大気汚染防止対策と一体して積極的に推進する必要があります。

このような背景から、(財)交通アメニティ推進機構(現、交通エコロジー・モビリティ財団)が四国運輸局を共催者として「環境フォーラムIN 四国」を開催し、運輸部門を中心に会場の方々とともに地球環境問題を再認識するとともに、パネルディスカッションを通じて、これらの対応方策の提言を行いました。

本報告書は、その概要を取りまとめたものであり、少しでも皆様のご参考となれば幸いに思います。

 

 

 

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