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「ひとごと」意識、被加害者意識というのがある。これが、環境問題の難しさだろうと思っています。

ところが、交通の問題と自動車が公害を撒き散らすそれが環境を汚染する、そこで結び付くわけです。

7月に中国にいってまいりましたが、中国も高速道路がボンボンできていまして、車も増えていますが、その一方において、ここではラバに曳かれた荷車がガタガタと、あれも公害で、糞を撒き散らしながらという景色が一緒に見られるわけですけれども、ただ、もしこの荷車がバンに取って代わってですね、あと自転車がみんな乗用車に取って代わったら、一体この地球はどんなことになってしまうんだろうかということ、これがそんなに先の話ではなくて、我々の目の前にでてくるかもしれない。

交通安全と環境ということの大変な問題というのは、我が日本だけではなくて、すぐお隣りの国でも実は大変な問題だろうと思います。

本日のシンポジウムというのも、いわばそういう問題を先取りをして、我々はその意味では、問題意識の上で進んでいると思います。

しかし問題は、地球規模での同じ課題であるということも考えていく必要があるんだというふうに思っております。

何か私もパネリストの一人になったような発言をさっきから一生懸命繰り返しているような気がいたしますけれども、私もそれなりの問題意識を持っていると、そして皆様方、今日関係の方々、交通に直接携わっていらっしゃる方々もおいででございまして、環境問題でアクティブに活躍している方もいらっしゃいます。そういう方が一堂に会して、ともかく解決のための糸口を掴もうというご努力に対して敬意を表したいと思います。

中心になって進めてこられた長谷川公一先生をはじめ、皆様のこれまでのご努力に対しまして心から敬意を表しつつ、お祝いのご挨拶とさせていただきます。

おめでとうございました。

 

 

 

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