お わ り に
海陸を問わず、働く高齢者は増え続け、西暦2000年には日労働人口の4人に1人が55歳以上の高齢者になると推測されています。
こうした中で、企業や現場では高齢者ならではの知識や技術を見直し、これらを活用しようとする前向きの考え方が求められるようになりました。
ただ、高齢者は年をとると、心身機能が低下するという、マイナス方向の特徴が出てきます。そこで、「その弱点をカバーし、より安全に働くためにはどうすればよいか」というのがこの小冊子を生むきっかけでした。
もともと高齢者災害の原因が、高齢そのものにだけ原因があるかどうか、必ずしも断定し難いことが多く、どうしても高齢者だけを抜き出しての安全対策は明示できない嫌いがありました。今回も、そのあたりがネックになりましたが、出来るだけ多くの高齢者に登場して貰い、特徴的な部分を探って見た次第です。
年は取りたくありません。確かに肉体労働は若者の方に分があるかもしれません。しかし船での作業は、それ以外に、長年続けてきた仕事、或いは、生きてきた経験の中で培われた能力、そして、ちょっとした事柄に驚かないし、びくつきもしない、そういったベテランならではの精神的安定性、等々が重要な位置を占め、ベテランなくして安全航海が望めないのもまた、事実です。
決して若くはない、しかしその能力は抜群の皆さん、ただ、油断は禁物です。