2. 質疑応答
司会者 どうもありがとうございました。おそらくご質問がたくさんおありかと思いますので、ぜひご議論ください。どうぞ、ご自由にご発言ください。
A 私はいわゆるマルデドメスティックということで、国際派の船橋さんには全くかなわないなと思っています。今のお話の中でも出ましたが、今、日本は金融経済危機に直面しています。この間橋本さんが経済演説という異例な形のものをやって、アジアとの経済恐慌は起こさないということも言ったりしたわけですけれども、問題の根源は国際問題ではなくて、日本の場合、言ってみれば内々の問題ではなかろうか、その側面が非常に強いのではないかという気がしてならないわけです。はっきり言って、バブル崩壊後のこの危機を自社さ政権で迎えてしまった、いわば「水と油」の摩訶不思議な政権のもとで迎えてしまったことは、日本にとって一番の問題の根源ではなかろうかと思います。
これによっていろいろな問題が出てくるわけです。社民さきがけと自民党とは、基本的に思想性も違うし、経済政策の基本からしておそらく違うと思います。ですから、日本が自社さ政権であるということが、日本の危機を乗り切ろうとすることを非常に難しくしていて、それがひいてはアジア、あるいは世界に悪影響を及ぼしているという、私なんかは非常に永田町ウオッチャー的な感覚から、そんな気がして仕方がありません。国際派の船橋さんの目から見た永田町というものを率直にお聞かせいただければと思うのですが。
船橋 自社さの問題もあることはあると思いますね。自民党は冷戦時代は安保と経済成長の二つで38年間事実上の一党単独政権をつくってきたわけですけれども、冷戦が終わりましたから、本来なら後は「安保の自民党」ということで国民に売る、このアピールが大分薄れていると思うのですね。社民党までが少なくとも安保一応支持ですから、共産党以外ほとんどの政党が支持しています。自民党の独占的な状況、これも危機もないということですから。
そうするとあとは経済です。本来ならばこれは政権交代です。これほどひどい失政の場合は当然だと思うのです。先ほど申し上げたような韓国がうらやましいとは思いませんけれども、韓国は「政権がらがらぽん」の場合はくっきりと目鼻だちの異なったオルタナティブが出しやすい。それが日本の場合はないのです。つまり、政権交代が政策の