WT0基調講演
日本人の旅行者をシルクロードヘと導くために
1 日本人の海外旅行の歩み
日本の観光旅行自由化は1964年、東京オリンピックの年に始まりました。当時の日本は第2次大戦終結により20年程しか経たず、日本経済はまだまだ世界の先進国に比べ、国民1人の所得も低く、海外旅行をするには外貨制限もあり1964年の渡航者数は12,800人でありました。
日本の経済発展とともに、海外に関心を持つ一般観光客も年々増え1997年末には約1680万人の人が海外渡航をし、いよいよ日本人の大航海時代到来と言われています。
・ 1964年 海外渡航自由化が始まる。
・ 1980年 第2次オイルショック。
・ 1991年以降 湾岸戦争を除く年はすべて前年を上回っている。
・ 1997年約1680万人(推定)の渡航者数
この年は日本経済の不況が感じられ消費者の購買力が低下する。
2 日本人の海外旅行の形態、及びその変化について
海外旅行自由化33年を経て、多数の日本人が海外に渡り、業務、観光を通して、多くの国々の異文化に触れ、その結果外国から取り入れられた生活様式が、日本人の生活文化に変化をもたらし戦後の日本は大きく変わってきました。日本の人口約1億2千万人、平均寿命も男性77歳、女性83歳(1997年厚生省調べ)となる中で、高齢者の生活もまた大きく変わってきたと思います。
・ 日本の一般的な退職年齢は60歳
・ 退職金及び60歳〜65歳年金受給制度
・ 個人資産(預貯金)1200兆円
これらのもと高齢者の人生において最も楽しい余生を過ごす動きが健康人の増加に伴い多く見られる中、いかに私ども旅行業が有意義な旅を企画し、提供できるかが、旅行業者間の勝負となってきております。
日本人の年齢構成は高齢化しており、今後の日本人の海外旅行に於いて大いに期待できるのは健康な高齢者(50歳以上)で、この層の旅行人口の増加は一層顕著になると見られます。
若年層(学生・未婚男女者)の旅は年々増加しており特に個人旅行化が一層促進されています。
学生においては、AIRやHTLを利用し自由な行動を取る形態が多く、また