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以上様々な改善が望まれる事項を指摘してきたが、シルクロード旅行における観光資源はやはり歴史文化資源が中心であるが、自然資源や民俗資源等についても同様にその保全につとめつつ観光開発を推進していくことが望ましい。

シルクロード沿いの各地において観光関連産業が存立し、外部からの投資を誘致したりしようとする場合、観光シーズンが限られていては容易ではない。このためにはシルロード旅行の通年施行が必要であり、上述の改善事項の多くはかかる状態を実現するための前提条件となりうるものである。また、現在シルクロードを訪れている日本人海外旅行者は高齢者が中心となっており・現在の日本人海外旅行者市場において最大のシェアを占める20代女性、今後増大が予想される家族旅行者や仕事を離れた中高年夫婦の旅行者等をシルクロード旅行に誘致するためにも上述の改善事項への対応は重要であると考える。

なお、シルクロードに素晴らしい歴史文化資源が多数存在しているとは言っても、各地点間の移動に時間がかかり困難が伴うのでは多くの来訪者を期待することは難しく、また、同じような観光資源の繰り返しでは飽きられてしまう。加えて、広大なシルクロード各地が同じ歩調で旅行者を誘致することは不可能である。このため、現時点において受入体制が進んでおり、魅力ある観光資源へのアクセスが比較的容易で多くの日本人海外旅行者が限られた期間に快適な周遊旅行を楽しめるモデルコースを考えてみた。あくまで一つの試案に過ぎないが、このようなモデルコースをより多くの旅行者が訪れて繁栄することにより、他の観光地や周遊コースの開発も進むことが期待される。

 

 

 

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