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いところからつくり出すこと、リスクはあるがそれを避ける知恵を発揮しながら目的に達することなのです。このことは、団体ができた後でも、事業の方向をめぐって同じことが出てきます。

リーダーとは、自分一人でも「やらなくてはならない時にはやる」という決断力と実行力を持つ人なのです。

 

組織運営は民主的に

しかし、決断は一人で行うものですが、組織運営は民主的に、丁寧に行わなければなりません。「このように決めたから、従え」というような態度では、誰も本気で活動をしてくれないでしょう。ボランティア活動は一人ひとりの自主性によって行うのですから、一人ひとりのメンバーが心の底から活動の意味を理解し、団体の活動の意義に共感するようにしなければなりません。

そのためには、時間をかけて議論をし、趣旨を理解してもらわなければなりません。具体化を図るということが、団体の中の民主主義なのです。メンバーが「自分も団体を支えている一員なのだ」「わたしはこの組織の中で重大な役割を担っている」と感じれば、大いに力を発揮します。この作業を手抜きすると組織は腐敗していきます。

 

成功したらメンバーの成果失敗したら自分の責任

リーダーシップを発揮することと組織を民主的に運営することを混同してはなりません。このことを、リーダーの心構えとしてまとめると、「成功したらメンバーのもの、失敗したら自分の責任」ということでしょう。

自分個人の決断ではじめたことですから、失敗すれば当然自分の責任です。成功すれば、それはメンバーの協力がなければできないことであったわけですがら、その栄誉はメンバーに帰すものなのです。

リーダーシップと組織運営の民主性を混同するリーダーは、失敗すると「みなで決めたことだがら」といって責任を回避し、成功すれば、あたかも自分一人で成果を上げたように有頂天になってしまいます。このようなリーダーの下では人は育ちませんし、団体の発展もありません。

みなさんの周辺のリーダーはどのタイプですか? また、あなたは、どちらのタイプですか?

 

 

※ ボランティア団体設立・運営に関する質問がありましたら、どうぞ編集部までお寄せ下さい。

 

 

 

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