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「楽しさ」はどこから生まれるか

では、ボランティア活動の「楽しさ」はどこから生まれるのでしょうか。

一つは、世の中にとって意義のある活動である、ということでしょう。ですから、ボランティア団体は何らかの「使命」を持って活動をします。が、この「使命」が意味のないことであれば、誰も真剣に活動しないでしょう。ですから、絶えず私たちは、自分自身に問いかけなければなりません。「この活動は社会にとってどのような意味があるのか。社会の変化に柔軟に即応しているのか」

二つめは、「使命」の実現のために効果的な活動ができている、ということでしょう。使命はよいが、集まってムダな話ばかりしており、活動が効果的でないということであれば、楽しくないでしよう。

三つめは、無理なく活動ができているということです。ボランティア活動がハード過ぎて家庭生活も壊れてしまうようでは、楽しく活動ができないでしょう。

四つめは、ボランティアを通じて自分の人間的成長を実感できることです。ボランティアをすることによって毎日充実した時間を送れる、新しい自分を発見できるようにしておくことです。

五つめは、団体の中に思いやりが満ちあふれていることです。ボランティア団体が活動対象に対して思いやりのあるのは、当然のことですが、この活動の継続と発展のためにはボランティア・メンバーへの誠意ある配慮が不可欠なのです。

ボランティア活動の楽しさとは、落語や漫才を聞くような受動的楽しみではありません。困った人がいないようにしよう、社会をよくしようという目的に向かって、自分の知恵を出し、汗をかいてその実現のために努力していくことなのです。それを個人個人の善意と誠意の連係プレーで実行していくのです。

熱い想いで設定した目的を実現するためには、クールな計算と事業計画に裏打ちされていなければなりません。このような準備をしっかりとしておくと、徹底した楽観論によって支えられることになるのです。

ボランティアの楽しさは、このようにして生まれ、そして楽しいボランティア活動ができた時に、「リーダーをやってみようかな」という人が新しく登場してくるのです。

 

※ ボランティア団体設立・運営に関する質問がありましたら、どうぞ編集部までお寄せ下さい。

 

 

 

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