の流氷や雪まつりのビデオや写真を「小中学生の子供たちに見せてほしい」と送り続けているのだ。これらは、県内の小中学校や養護学校に配られ、北国の学習教材として使われている。
気づいたことは、すぐに実践するのが信条
水上さんが、これほどまでに精力的にボランティア活動を行うようになったのは、戦争で多くの友人を失ったことがきっかけだという。
「戦時中、部隊を共にしていた多くの戦友が、北太平洋アリューシャン列島のアッツ島で犠牲になりました。生き残った私自身、どう生きていったらいいのか悩みましたが、生きていたら、社会に多くの貢献をしたに違いない戦友に代わって、少しでも社会の役に立つことをしようと決めたのです」
そして、一人でもできる身近なことからやろうと、気が付いたことを、気が付いたときから実践してきた。それがこの結果だというが、草むしりひとつをとっても、たったひとりで黙々とやることなど、なかなかできることではない。でも水上さんは、「人を頼るよりも、自分自身が率先して行うほうが、てっとり早いんですわ」とサラリ。
「公園を歩いていたらガラスが落ちていて危ないと思ったから、掃除をすることにしただけですし、道路に花を植えたらきれいになるんじゃないかと思ったから、コスモスを植えてみた。習慣になると、いろんなことが目に付いてしまうわけで、目に付いたらやらずにはおられない性分なんです。おかげで、やらなきやいけないことがどんどん増えていって、病気になる暇も、年を取る暇もなく、いつまでたっても、三〇代ですわ(笑)」
地元の社会福祉協議会理事や「小さな親切運動」北海道本部委員をはじめ三〇以上の団体役員を歴任し、社会福祉や青少年の健全育成に尽くしてきた水上さんのもとには、子供たちからのお礼状から感謝状や表彰状まで、その功績をたたえる書状がいっぱい。昨年は、札幌市の社会教育功労者にも選ばれた水上さんは、「みなさんに喜んでもらえることが、なによりの張り合い。体が続く限りがんばりたいですね」と、今日も元気にボランティア活動に励んでいる。
水上さんから送られたジャガイモを使ったクリスマス給食のシチューに、鹿児島の小学校の児童も大喜び。