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? 空気室取付

防波堤灯台に空気室を取り付ける場合、空気室に作用する力を考慮しなければならない。作用する力は、波力、風荷重、潮流力、地震力がある。以下、昨年度の調査研究の成果を元に簡単に述べる。

(a) 作用する力

(ア) 波力

防波堤に沿った方向に作用する力と海水上昇時海水が空気室天井に作用する力がある。

(i) 堤防の法線方向に作用する力

防波堤に沿った方向に作用する力は、波力が空気室の片側に作用したものとして計算を行う。また、進行波による波力と、港湾の施設の技術上の基準・解説で定められた波力とを比較し、大きい方の波力が作用するとして計算を行う。

進行波により水中の物体に作用する水平波力は、モリソンの式により

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を作用する部分、すなわち空気室没水部長dc(m)から空気室高さh0(m)まで積分して求める。この値をFw1とすると、速度ポテンシャルに微小振幅波理論を用いて

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となる。ここに

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である。ρは海水密度(104.5kg・s2/m4)であり、Cdは抗力係数(=1.0)、Cmは質量係数(=2.0)、kは波数(=2π/L:[1/m])、ωは角速度(=2π/T:[1/s])、Tは周期(s)、aは振幅(m)、rは空気室半径(m)、hは水深(m)、h0は水面から天端高までの長さ(m)、dcは没水部長(m)である。

Fw1が最大となるθはdF/dθ=0 より A1<2A0 であるならば cosθ=-A1/2A0であるが、A1≧2A0のときはθ=πである。

他方、港湾の施設の技術上の基準・解説で定められた波力により作用する力を求めると、空気室高さでの圧力をP3、空気室没水部長dc(m)での圧力をP4とする時

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