にしたがって狭くなり、その程度は7歳より11歳までがもっとも急激であると要約している。これらの結果から、疾走中の歩幅は幼児期から児童期において年齢とともに急激に減少し、11歳以降の減少は少なくなることがわかる。このことは、幼児期から児童期において走動作の習熟が顕著なことを示唆している。
年齢にともなう歩長の増大と歩幅の減少は、長育の伸びや筋力・パワーの向上とともに走動作そのものの習熟が要因とみられる。そこで、歩幅が減少する1歳から5歳の幼児の背面からみた走動作の特徴とその年齢変化を考察することにした。
3. 背面からみた走動作の特徴
1) 回復期の足先の動き
背面から撮影した画像から、全被検者の足先の動きを図2のような典型的な3つのタイプ(Type-A,Type-B,Type-C)に分類し、各年齢における割合(%)を示したのが図8である。1歳児では、全被検者が両方の足先ともに外輪になるType-Aであったが、年齢とともにその割合は減少し、一方、両方の足先がまっすぐに運ぶType-Cが3歳からしだいに増加する結果であった。
2) 回復期の膝の動き
図9は、回復脚を前方に運ぶ局面での膝の動きを、図3のような典型的な4つのパターン(Type-D,Type-E,Type-F,Type-G)に分類し、各年齢における割合(%)を示している。1歳児では、全てが両方の膝をともに外転させるType-Eであったが、年齢とともにその割合は減少した。しかし、各年齢にわたってType-Eと一方の膝が外転するType-Fが多くみられた。両方の膝がともにまっすぐに運ばれるType-Gは、5歳になってようやく39.4%であり、3〜4歳ではきわめて少なかった。
この年齢において、両膝あるいは一方の膝が外転するタイプがしだいに減少する傾向が明らかであった。
走動作における足先の外輪(Toeing out)や内輪(Toeing in)は、成人にもみられ、その原因は明確ではない。しかし、幼児に多く認められる理由は、幼児の脚の動作そのものの未熟さと関連して膝の外転が多くみられ、その動きにともなって足先が外輪になるからだと考えられる。
幼児に膝の外転が多いのは、質量の大きい脚を