アイソレーションということです。血液,体液に注意を払うのは当然ですが,傷のついた皮膚を触るときにもきちんと手袋をしようということです。
そして1996年にはこのユニバーサルプリコーションとボディ・サブスタンス・アイソレーションを統合した形でスタンダードプリコーションという方法で示されていますが,そうすることによって隔離の方法が4つになっています。
この考え方の変化は,かつてのは感染源を隠すという考え方です。いま示されているのは感染経路を断てばいいという考え方です。こういった考え方に立てばどのように感染が広がるかがわかれば,たとえば接触でしか移らないものを,マスクをする必要はないわけですから,そういった方法をとる。結核なら決められた(N95タイプ)マスクをするということで防止できるということになります。
聖路加国際病院の場合はいまは4つに分けています。接触,呼吸器,特別呼吸器(結核),それから保護隔離です。これはユニバーサルプリコーションを前提としてこういった隔離の方法を考えています。隔離の部屋には隔離カードを出してこの部屋に入る方には注意を促しています。
日本では,感染防止というのは消毒にありといわれているように思うのですが,消毒剤の使用では少し考え直さなければいけないことがあるのではないかと思っています。消毒しなくてもクリーンにはできるのです。洗えばクリーンにできますが,洗浄しないで消毒はできません。
それからポトンポトン,シュッシュッという音で感染防止ができると思っていないかということです。
消毒剤の多くは組織毒ですから細菌も殺しますが,本当に効く消毒剤は私たちにも毒であるということを知らなければいけない。使う方法を間違えると何の効果もないということです。