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外来患者にもモルヒネが処方できますので,指示のとおりに患者さんに服用していただくということですが,質問が末期で内服できなくなったり,意識がなくなったときにどうするかということだとすれば,家族の人をよく訓練して注腸してもらいます。最後の2日間から3日間はしばしばモルヒネばかりか他の薬も注射で投与しなければならないことがあります。その患者さんの状況によって投与経路を変更すべきです。

 

――モルヒネを投与する場合,麻薬であるということを患者に告げるのでしょうか。モルヒネを投与すると癌だとわかってしまうのではないでしょうか。

いまの日本で,患者に癌を告げている比率が高い病院で80%くらいでしょう。この比率がずっと低い病院でも,自分は癌であると思っていたり,間接的な言葉で言われている患者さんも多く,癌とは思っていない患者は少ないですが,癌の告知を問題にしていてはすべての患者に痛みの治療を行うことが無理になってしまうのが現状でしょう。

患者は癌だから治療してほしいといって受診しているのではないということに注目してください。痛いと言っているのです。したがって,痛みを中心において患者さんと対話してください。モルヒネという薬は最近でこそ癌の痛みに使うようにいわれているのですが,昔はいろいろな病気の痛みに使われていました。癌患者の痛みのコントロールを始めるときに,たとえインドメタシンで始める場合であっても,やがてはモルヒネを使わなければならなくなる患者という前提で始めるわけです。こういう薬を使ってみて効かなかったら,麻薬(ことにモルヒネ)を使わなければならなくなるとあらかじめ話しておきます。そして,いよいよモルヒネを使いましょうと話すことになります。つまり,あとで使われる薬の中に麻薬,ことにモルヒネがあること,それは患者の痛みの強さ

 

 

 

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