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が,古い考え方を捨てて,新しい考え方を受け入れないと癌患者の痛みを解決することができません。

 

モルヒネの作用と経口投与法

 

モルヒネの微量投与では何の臨床効果もないのですが,少しずつ量をふやしていきますと,モルヒネがもついくつもの薬理作用のうち最初に現れるのが鎮痛作用です。そして同時に嘔吐中枢を刺激する薬理作用によって半数くらいの患者さんに吐き気がおこります(表9)。モルヒネは腸の動きを弱めて下痢を止める薬ですから,この量ではぼ全部の患者さんが便秘になります。痛みを止めるために飲ませた薬で吐き気を覚えたのでは困りますから,吐き気止めの薬を一緒に飲ませます。便秘がおこることもわかっていますから,便が出やすくなる薬をモルヒネと一緒

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