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心身症のいろいろ

では、代表的な心身症をいくつかあげてみましょう。

(1)過呼吸症候群
こころの動揺、不安、依存欲求がこうじると、呼吸が頻繁になり、吐く息が吸う息に追いつかず、次第に息苦しくなって、ひいては手足がしびれたり、意識がもうろうとなったりします。見かけはたいへん派手で、周囲の人は驚きますが、決して死ぬような病気ではありません。
これがおこりそうな予感がしたら、長く息を吐き出すことを2〜3回繰り返すと、発作を防ぐことができます。発作がおきてしまったら、ビニールか紙の袋を鼻と口にかぶせて、20〜30秒そのまま呼吸し、袋を離して呼吸するということを何度か繰り返すと、症状はおさまります。

(2)過敏性腸症候群
急激な腹痛と下痢が緊張時に生じるのが典型ですが、長い経過の中で、下痢と便秘を交互に繰り返す交互便のタイプ、あるいはガスが大量にたまり排ガスが主症状になるタイプ、そして下痢タイプと、だいたい3つに分類されます。
症状が激しく現れる初期には、整腸剤、安定剤、あるいは抗うつ剤を服用します。
経過中には、そのおおもとの原因である精神面の過緊張、生来の性格行動習慣の点検調整、そして緊張する癖を緩和するなどの指導を受けて、気長に治療をつづけてください。

(3)その他の症状
精神的な緊張から筋肉が緊張する癖がつきますと、習慣性の頭痛、肩こり、顎関節症(特に就寝中に歯をくいしばり、そのため顎の筋肉が緊張をつづけて痛くなり、口が開かなくなる)などの症候が習慣づいてしまいます。これらの治療も緊張心をいかに緩和するかがカギになります。

病気は生活の中でつくられるものです。「こころはからだの運転手」ということを常にこころに銘記して、賢く自分をコントロールして、毎日を過ごすようにしてください。

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