
生活習慣病とは
従来成人病といわれてきた一連の疾患に対して“生活習慣病”という名称を導入することの検討が1996年10月に厚生大臣の諮問機関である公衆衛生審議会成人病難病対策部会で始められました。そして、その年の12月には生活習慣病の概念の導入を求める意見具申として、『生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について』がまとめられ、ついに呼称の変更に至ったわけです。これまでここに述べてきた健康の概念の変遷、そして、健康障害と生活習慣との関わりを考えれば当然のことと思われます。
生活習慣をどのようにして捉えるか
それではどのように生活習慣は調べられるのでしょうか。私たちが知る限りこれまで生活習慣を検査する方法はありませんでした。日野原らは1975年より生活習憤を定量的にこ評価する方法について研究を始め、1982年にはその第1報が『日本公衆衛生学会雑誌』に発表されました。その後幾多の改変を重ね、1992年にほ現在市販されている「LPC式生活習慣検査(生活習慣ドック)」の完成を見たのです(図1)。
これは136の設問よりなり(表1)、これらの回答を統計学的に処理して23の生活習慣尺度で表し、また、これらの尺度評価をまとめた総合評価が示されます(表2)。
図1 LPC式生活習慣検査
表1 生活習慣検査の設問の一部
表2 生活習慣尺度の主なドメイン
食習慣(6尺度)
嗜好品の摂りかた(2尺度)
生活態度(8尺度)
健康状態(3尺度)
性格(3尺度)
運動習慣(1尺度)
総合評価
(1)望ましい食生活
(2)生活の堅実さ
(3)積極性、活発さ
(4)心身の安定度の因子
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