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プロフィール

◆山本直純(指揮)
1932年東京生まれ。亡父直忠氏より幼少の頃から音楽教育を受く。自由学園から東京芸術大学作曲科へ入学。のち指揮科へ転科。渡辺暁雄氏に師事。58年卒業と同時にテレビ、ラジオ、映画など各分野で特殊な才能を発揮し、また、タレントとしての活躍の場を広げる。72年7月に新日本フィルハーモニー交響楽団を結成。その指揮者団の幹事となる。全国PTA協会推薦番組にもなったTV番組「オーケストラがやって来た」で10年間にわたって音楽監督を務め、ユニークな企画ウィットにとんだ解説など好評を博した。74年10月24日、ニューヨーク国連デーコンサートのため国連委託作品「人」を作曲。日本太鼓とオーケストラの組み合わせによるこの曲は、パリ、ロンドン、ドイツ各地で引き続いて演奏され、熱狂的な聴衆の拍手で作曲者は何度もステージに呼び出された。79年7月、日本人として初めてボストン・ポップスを指揮。当夜はジャパンナイトとタイトルされ、“日本のアーサー・フィドラー”と呼ばれたその指揮ぶりに超満員の聴衆は歓喜の喝采を送った。好評で、翌1980年にも再びボストン・ポップスに招かれた。代表作品として「和楽器とオーケストラのためのカプリチオ」、「八重奏曲」、合唱組曲「田園 我が愛」等がある。又、映画「寅さんシリーズ」、NHKドラマ「武田信玄」等、映画、TV、ラジオ等の作品も数多い。著書としては「オーケストラがやって来た」、「チャルメラ協奏曲」、「鬱のとき何を聴くか」、87年8月主婦の友社より初のCD付き書籍「クラシック・クライマックス」、「マーチ・イン・マーチ」等多数ある。今回で2度目の加茂公演となる。

◆東京フィルハーモニー交響楽団
東京フィルは、明治44年、1911年名古屋に生まれた音楽隊を母体に、1932年名古屋交響楽団となり、1938年12月中央交響楽団の名のもとに、東京を本拠地として結成され、1996年創立85周年を迎えた日本最古の輝かしい歴史と伝統を誇るオーケストラです。現在、東京フィルは年間170回に及ぶ演奏活動を行っています。その内容は年間10回の定期演奏会をはじめとして、オペラ・コンチェルタンテ、特別演奏会等の自主公演、文化庁移動芸術祭などの地方公演、NHKを主とした放送演奏、オペラ、バレエ公演でのピット演奏、レコード録音などその活動範囲の多彩さはわが国オーケストラの中にあって、ひときわ目だったものとなっています。1984年春にヨーロッパ7か国を演奏旅行し、この成果を認められて音楽之友社賞を受賞。1987年には香港で行われた「アジア音楽祭」に招待され、又、同年、文化庁から芸術祭賞を受賞しました。1989年8月、渋谷にオープンしたBunkamuraとフランチャイズ契約をし、そのメインホール「オーチャードホール」を本拠地としてより充実した体制を整え、9・10月には再度ヨーロッパに招かれ、8か国約20都市に1か月間にわたる演奏旅行を行い絶賛を博しました。そして、1994年10月には第3回定期ヨーロッパ公演を実施、ロンドンの「国際オーケストラシーズン」に参加したのを始め、ドイツ、イギリス各地で15公演を行い、改めて東京フィルの存在を世界的に確固たるものとしました。1992年4月からは常任指揮者に我国で最も期待される音楽家大野和士を迎え、東京フィルの実力を駆使したシリーズ「オペラ・コンチェルダンテ」をスタートさせ、きわめて高い成果を上げています。そして1995年12月に第11回オペラコンチェルダンテ「ヒンデミットオペラ3部作」での演奏がきわめて高く評価され、平成7年度第50回文化庁芸術祭音楽部門芸術祭大賞を受賞しました。1995年4月から世界に誇るロシアの名匠ウラディーミル・フェドセーエフが首席客演指揮者に就任、指揮者陣も世界のメジャーオーケタドラにふさわしい陣容を整え、いっそうの充実を期しています。今回で4度目の加茂公演となります。

◆堀いくよ(メゾ・ソプラノ)
文教大学教育学部音楽科卒業後、二期会オペラ・スタジオで研鑽をつみ、1988年渡欧。ウィーン市立音楽院オペラ科に入学し、1990年最優秀の成績にて卒業し、その後2年間特待生として学校から奨学金を受けながら勉強を続ける。オペラ科ではスメタナ作曲“売られた花嫁”のハタ、プッチーニ作曲“蝶々夫人”のスズキ、フンパーディンク作曲“ヘンゼルとグレーテル”のゲルトルート、モーツァルト作曲“フィガロの結婚”のマルチェリーナなど、ウィーン市や二一ダーエステライヒ州の各劇場にて歌う。

1985年 日伊声楽コンコルソ入選(東京)
1989年 ハルタウァ国際オペラコンクール3位入賞(ウイーン)
1990年、1991年ホセ・カレーラス白血病基金主催チャリティ・コンサートに出演(ウィーン)
1991年より ウィーン国立歌劇場のコーラス員として契約
1992年 ウィーン楽友協会大ホールにお一けるオラトリオ“テ・デウム”(ラインハルト作曲)のアルト・ソロを歌う
1993年 ゲルメリング文化会館開館記念オペラで、ベルデイ作曲“アイーダ”のアムネリスを歌う(ミュンヘン)
1994年 マリア・ヒルファーオペラでフンバーディンク作曲“ヘンゼルとグレーテル”の魔女を歌う(ウィーン)その他、ウィーン、バーデン市などでのガラ・コンサート、べ一トーヴェン作曲第9交響曲のアルト・ソロをはじめ多数のコンサートに出演している。朝倉蒼生、菊池洋子、セバスチャン・ビトッチ、バルデマール・クメント、グレース・バンブリ各氏に師事。

◆三浦克次(バス)
明治大学法学部卒業後、東京声専音楽学校(現・昭和音楽芸術学院)を卒業。日本オペラ振興会オペラ歌手育成部第5期生修了。1986年から国際ロータリー財団の奨学生としてローマに留学。トーマス・リドヴイーコ・ダ・ヴィクトリア音楽院およびローマ・サンタ・チェチーリア音楽院で学ぷ。1991年五島記念文化財団の奨学生として1年間再渡欧。バスティニーニ・コンクール第3位。ジャコモ・ラウリ・ヴォルピ・コンクール第3位。1992年ロッシーニ国際オペラ・コンコルソ入賞。高田作造、早瀬一洋、岡山広幸、マルゲリータ・ゲディン、パオロ・モンタルソ、ジュゼッペ・モレッリの諸氏に師事。オペラ歌手育成部在籍中の1986年、藤原歌劇団「仮面舞踏会」のシルヴァーノでオペラ・デビュー。その後、二度のイタリア留学をはさみ、「カルメン」のスニガ、「清教徒」のヴァルトン卿、「ドン・カルロ」の修道士、「椿姫」のドビニーおよびドゥフォール、「トスカ」のアンジェロッテイ、「ドン・ジョヴァンニ」のマゼット、「運命の力」のメリトーネ、「セヴィリアの理髪師」のドン・バジリオ、「ラ・ボエーム」のベノアおよびアルテンドロ、「ルチア」のライモンド、「蝶々夫人」のボンゾ、「アンドレア・シェニエ」の家令およびシュミット、「愛の妙薬」(千葉公演)のドゥルカマーラ、1996年の「トスカ」(本公演、神奈川公演)のアンジェロッティ、1997年「椿姫」、「マクベス」に出演し藤原歌劇団で活躍を続けている。日本オペラ協会には1995年3月「山椒太夫」の僧でデビューした。在伊中にはスルモーナ市立歌劇場「秘密の結婚」、ローマ・ヴァッレ劇場「アディーナ」などのオペラやシューベルトの「ミサ曲ト短調」などのソロに出演。その他、日本オペラ振興会育成部開設10周年記念「フィガロの結婚」、Bunkamuraオペラ「魔笛」、コンサート・オペラ「ラ・ボエーム」、オペレッタ「ピノキオ」、「メサイア」、「小荘厳ミサ」など数多くの宗教的や「第九」のソロ、各種コンサートで活躍。1992年9月帰国記念リサイタルを開催した。第2回五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。平成5年度村松賞受賞。第21回ジロー・オペラ賞受賞。 藤原歌劇団団員。

 

 

 

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