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日本労働衛生工学会第37回学会

講演抄録集

1997

学会実行委員長 日本大学工学部 教授

菅野 宗和

期日:平成9年11月12日(水)、13日(木)

会場:日本大学工学部

TEL 0249-56-8600(代表)

FAX 0249-56-8860

講演:日本作業環境測定協会

協賛:日本産業衛生学会

日本空気洗浄学会

人間-生活環境系会議

日本労働衛生学会

 

A05

 

イオン性物質についての吸光光度分析方法および

イオンクロマトグラフ分析法の比較検討

 

◯原邦夫(1),深堀すみ江(1),中明賢二(2)

(1): (財)労働科学研究所

(2): 麻布大・環境保健学部

 

1.はじめに

近年,有機塩素系の洗浄作業が徐々に廃止され,それに代わって超純水洗浄やアルカリ洗浄などが行われる傾向が見られる。アルカリ洗浄には中和の行程も含まれ,酸の使用も伴っているものと思われる。酸およびアルカリのイオン性物質のいくつかは,特定化学物質として規制が行われているところである。

イオン性物質の分析に関して,徐々に,イオンクロマトグラフ分析法(IC法)が普及してきた。たとえば,IC法の通則がJIS k 0127として1992年に制定され,工業用水試験法のJIS K 0101でも無機イオンの分析方法にIC法が採用されている。厚生省および環境庁も,水質基準の改定に伴って無機陰イオンの分析法にICを採用し,農水省でも肥料の規格試験方法にIC法を取り入れている。また,NIOSHによる分析マニュアルでも無機陰イオンの分析方法にIC法が取り入れられている。

従来から,労働衛生分野でのイオン性物質の捕集および分析としては,無機陰イオンおよび無機陽イオンとも液体捕集で吸光光度分析法で分析する方法が一般的と判断できるいω。今回,イオン性物質の分析をIC法で試みるにあたって,吸光光度分析法との比較を念頭に置きながら,IC法の基礎的検討と,実際の作業現場でのイオン性物質の捕集および分析の実施例を報告する。ここではN02およびSO2の例を示す。

2.方法

2.1 捕集方法の基礎的検討 脱イオン水や蒸留水などの水溶媒,およびイオン性物質の液体捕集方法で用いられることの多いガラス製のインピンジャー,シリカゲル管およびN02およびSO2用に今回の現場測定に用いたトリエタノールアミン含浸のシリカゲル管(2g)に,それぞれ超純水(ミリボア社製,Milli-XQ,18MΩ.cm以上)10mlを加え,IC(ダイオネクス社製,DX120)で分析した。なお,標準液を用い,2連結あるいは捕集管のシリカゲル層の2層性を利用し,イオン性物質の保持率の検討も同様にして行った。

2.2 作業場のN02およびSO2の捕集および分析 トリ・エタノールアミン含浸のシリカゲル管に約200ml/minの流速で1時間,作業環境中の対象空気を通気させてN02およびSO2を捕集した。15mlの蒸留水で抽出し,吸光光度分析法(N02:ナフチルエチレンジアミン法(2),SO2:パラ-ロザニリン法(2);日立製100-10)およびIC(ダイオネクス社製DX120)法で分析した。なお,N02のザルツマン係数は0.84であるが,N02のN02-への転換係数を0.35として計算した(2)

 

 

 

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