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うとした際、錨のロープがO号のプロペラに絡まっていたため、船長は、同乗者に船尾の覗き窓から状況を確認するよう依頼したが、アクリル板製の窓が汚れていたことから、同乗者がアクリル板を取り外したところ、うねり及び風浪により浸水、約10分後の一三:三〇頃、同船は沈没したもの。

乗船者は、付近航行中の漁船に救助された。

・主たる海難の原因 アンカーロープ絡索

 

〔事例9〕転覆

10月20日、モーターボートS号(1トン・3名乗船)は、佐久島東側海域で釣りを終え衣浦港へ帰港するため一二:四〇頃出発し、風浪に船首をたてた状態で船外機を半速で航行していたが、波を乗り越える際に船尾から海水が打ち込み船尾倉庫に流入し、同倉庫内に設置していたバッテリーが使用不能となったことから、機関が停止して、航行不能となり、その後、横波を受け転覆したもの。

一三:○○頃の機関停止直後、3名は救命胴衣を着用して転覆前に脱出し、仲間の船に救助された。

・主たる海難の原因 操船不適切

 

〔事例10〕乗揚げ

4月20日、遊漁船S丸(5トン・ー名乗船)は、二一:○○頃港内の防波堤上の釣り客を迎えにいく際、近回りをしようと埋め立て工事中の航泊禁止区域内(周囲に灯火の標識設置)を航行途中に、直前になって工事用の鋼製パイルに気づき、ただちに転舵したが間に合わず、埋立護岸基礎石に乗り揚げたもの。

・主たる海難の原因 見張り不十分

 

以上のように、事故事例をいくつか紹介しましたが、これらはいずれも運航者が、プレジャーボート等を運航する際、十分な見張り、適切な操船、気象・海象の把握、発航前検査等の基礎的事項を守っていれば、十分回避できた事故であり、これらの事例を教訓として、より一層の安全運航につとめられるようお願いします。

 

3.プレジャーボート等の運航上の注意事項

プレジャーボート等の運航者あるいは同乗者は、運航中の事故及び迷惑行為等を未然に防止するために、次の事項に注意しましょう。

(1)荒天での航行能力が不十分であるため、気象・海象の変化を早くつかみ、荒天となることが予想される場合には、事前に中止する勇気を持つこと。

(2)乗船者は、救命胴衣を必ず着用すること。

救命胴衣を着ていると動きにくく、夏場は暑いと言った理由で着用されていない場合がありますが、多少の不便は我慢し、航行中は自分のため、家族のため、救命胴衣を常時着用してください。

(3)機関、操陀装置等の設備、機器はマリーナ等にまかせきりにせず、自分でも日頃から点検整備をして熟知しておくこと。

(4)海図等の水路図誌を備えておくとともに、使用方法を熟知しておくこと。

(5)運航中は、見張りを十分に行い他船の動向に注意するとともに、周囲の状況に応じて適切な速力で航行すること。

また、漂泊中や錨泊中であっても適切な見張りを行うとともに、自船の位置を定期的に把握しておくこと。

(6)海上衝突予防法、港則法及び海上交通安全法などの海上交通ルールを熟知するとともに遵守すること。

(7)プレジャーボートは、比較的容易に操船できることから、同乗者(無資格者)に操船に委ねがちですが、このようなことは直接、事

 

 

 

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