日本財団 図書館


船の科学館もの知りシート

No.2

 

淀川の川船と川御座船(よどがわのかわぶねとかわござぶね)

 

江戸時代の物資輸送をになったのは船です。重さの割に安い物を大量に輸送する手段として、陸上を運ぶよりも経済性と能率の点で船のほうがはるかに優れていたからです。従って、船を通りやすくするための川の整備が各地で盛んに行われ、大きな川だけでなく今では思いもよらないような小さな川や内陸部まで船が行き交っていました。

海で使う船は江戸時代の中ごろに弁才船(べざいせん)と呼ばれる荷船の仲間にほぼ統一されましたが、川で使う船はそれぞれの川の条件が同じでないために、1つの型の船が全国の川に普及することはありえませんでした。喫水(きっすい)が浅く、平底の細長い船体と、簡単な造りくらいが共通点といえます。

〔淀川の川船〕

003-1.gif

なお、過書船のなかでも乗合船として大坂と伏見の間を1日2回定期的に上下した、人乗(ひとの)せ三十石船は乗客30人ばかりの客船で、小説や落語などにも三十石や三十石船の名で登場するのでとりわけ有名です。

003-2.gif

003-3.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION