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これら都市部居住者の人口は総人口の30%強となっている。

言語としては、北京語を標準語としており、本省人が使用してきたいわゆる台湾語は、ミン南語(福建語)と客家語に大別される。以上はいずれも中国語であり、文字は共通である。なお、先住民族が使用しているのは南島語系に属する高山族語である。

なお、台湾は信仰の自由が保障されており、多くの宗教が信仰されている。最も多くの宗徒を数えるのは仏教で、次いで道教、キリスト教、天主教と推定されている。

 

4 経済・労働

1996年の台湾のGNP総額は2,751億ドルで、1人当たりGNPは12,872米ドルとなっている。1996年のGNP成長率は5.71%で、若干伸び率は下がっている。

台湾の経常収支の黒字額は1986年の211億ドルをピークとして減少傾向にあり、特に1991年から1995年にかけて、120億ドルから48.2億ドルに激減した。なお、1996年の経常収支は104.8億ドルヘと増加した。通関ベースの貿易収支も、経常収支と同様の傾向にある。輸出相手国は米国、香港、日本の順、輸入相手国は日本、米国、ドイツの順になっている。また、貯蓄率(総貯蓄/GNP)は近年減少傾向にあるが、1994年時点において26.11%といまだ高いレベルにある。外貨準備高は1995年末時点で、903億ドルに上っている。

一般政府支出の財政規模(歳出決算ベース)は1995年度(1994年7月〜1995年6月。中央、地方政府の合計。ただし、重複を除く。)においては、2兆749億元(1元=約4円。1997年11月時点)で、対GDP比31.3%となっている。対GDP比は、近年、財政規模の拡大により33%強まで上昇したが、最近の財政赤字縮減のための引き締め策により若干減少の傾向にある。

財政支出に占める中央政府と地方政府の比率は、以前は中央6、地方4の割合であったが、近年の中央政府の支出削減により1995年度においてはほぼ半々となっている。なお、支出の内訳をみると、1960年代前半までは国防費が財政の5割近くを占めていたが、その後次第にウエイトを下げ、1995年度には13.0%まで下落した。

中央政府の1998年度の予算を見ると、規模は1兆2,434億元で、前年度と比較して4.1%増になった。歳出割合を見ると、国防が20.9%、教育・科学・文化が15.3%、国債の利払い等債務支出が14.1%、年金等への支出が12.6%などとなっている。

1995年の就業人口は907万人で、失業率は1996年には2.60%と前年の1.79%から上昇した。この失業率は1988年以降最も高い率である。製造業被雇用者の1人当たり月間平均賃金は、1996年には33,765元で、前年に比べて4.1%の上昇となった。1996年の消費者物価の上昇率は3.07%。

産業別の労働者比は、第1次産業10.1%、第2次産業37.5%、第3次産業52.4%で、第3次産業が増加する傾向にある。

 

 

 

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