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第9章 服務・懲戒

 

1 服務

公務員法により一般公務員に課されている主な服務義務は以下のとおり。なお、公務員には組合を結成する権利など労働基本権は認められていない(公営企業職員に同じ)。ただし、公務員共同組合(Association)があり、公務員の権利保護の役割を果たしている。なお、同組合への加入資格を有する職員は120万人強いるが、実際に組合のメンバーとなっているのは約4万人。

・ 憲法を遵守し、国王を元首とする民主政府を支持しなければならない。

・ 職務を忠実・公正に遂行し、官職を利用して私的な利益を追求してはならない。

・ 法令に従って職務を遂行しなければならない。

・ 守秘義務。

・ 上司の命令を遵守する義務。部下は上司の命令が公務の利益に反すると考えるときは意見を述べることができるが、なお、上司がその命令を出すときは従わなければならない。

・ 直上の上司を回避してはならない。ただし、さらにその上の上司の命に基づくとき又は特別な事情があるときはこの限りではない。

・ 上司に虚偽の報告をしたり、情報を秘匿してはならない。

・ 規則、行政例、倫理行動規範遵守義務。

・ 職務専念の義務。

・ 他の職員と協力して職務遂行にあたる義務。

・ 国民に対し、丁寧に、親切に、迅速に、平等に仕える義務。

・ 合名会社(partnership)又は企業において役員やマネージャーとして勤務してはならない。

・ 職務の遂行にあたっては、政治的に中立でなければならず、また、政治的行為に関する行政命令を遵守しなければならない。具体的には、選挙権を行使し、党員になることは差し支えないが、党の役員に就いたり、選挙に対し影響力を行使してはならない。

・ 信用保持の義務、信用失墜行為禁止義務。

・ 上司は部下の服務義務違反を阻止すべく、自らモデルとなり、また、研修や啓発に努めなければならない。さらに、部下が服務義務を犯していると信じるに足るときは、ただちに懲戒処分を取るなどしなければならない。

 

 

 

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