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を得た。これは、日本的雇用慣行により上昇した高齢者の高い賃金コストを従来どおりに維持しようとすると、中高年齢層の雇用過剰とも相まって企業財政を圧迫しかねないということ、さらには、加齢に伴なう個人の労働生産性が大きく低下するであろう高齢者の提供する勤務に対して、ふさわしい賃金体系(現給より減の方向)を設定することが、今後進むであろう能力・業績主義的賃金体系に合致すると考えられた結果かと思われる。

 

?Y 裁量労働制

1.裁量労働制の導入状況[第21表参照]

現行、労働基準法上で裁量労働制の対象業務が、研究開発、情報処理システムの分析・設計等の創造性や専門性の高い業務に限られ、それに携わる従業員も自ずから技術・研究者がその業務を占めているであろうことから、技術系(研究系を含む)の常勤従業員を有する企業を対象に裁量労働制の導入状況を調査してみたところ、「導入している」が10.8%で、企業規模が大きいほど導入割合が高くなっている。また、「導入を予定している」は7.3%で、これも先程と同様に企業規模が大きくなるほど導入を前向きに検討している結果となった。なお、「導入していない」割合は8割以上を占めており、まだまだ制度の適用に慎重である感を得た。

 

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2.裁量労働制導入の職位層[第22表参照]

前問の裁量労働制を導入及び導入を予定している企業に対して、裁量労働制を反映させる職位層をどのクラスと考えているのかを調査してみたところ、「係長クラス」80.9%、「主任クラス」78.7%、「課長代理クラス」と「一般職員」が同率で38.3%となっていて、「係長クラス」、「主任クラス」の二者が並び立つ結果となった。

 

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3.裁量労働制の導入理由[第23表参照]

次に、裁量労働制を導入及び導入を予定している企業に対して、その「導入理由」を調査したところ、「仕事の密度を高めるため(仕事の効率化)」が87.5%で最も高く、次いで「従業員の自立性

 

 

 

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