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5.年俸制の問題点[第18表参照]

(1) 導入を難しくさせる要因

多くの企業が導入を困難にさせている要因として、「評価の方法・基準の策定の困難性」を挙げている。これは回答企業332社中の80.1%と最も高く、次いで「業績評価の困難性」が77.7%、「目標達成度の測定の困難性」が72%と7割台の高率となっている。また、これらについて“特に重要な問題点”として絞って調査してみた結果についても、「評価の方法・基準の策定の困難性」が47%とおおむね過半数を占め最高で、次いで「業績の評価の困難性」の40.4%、「目標達成度の測定の困難性」の28.3%と問題点の優先順位が、重要点のそれと一致している。これらの傾向は平成7年調査の場合と全く同様で変わっていない。つまり、業績等の測定・評価と、その評価の方法・基準を客観的、公平的に策定することの難しさが、年俸制を導入するための最大の問題点となっている。

(2) その他の問題点

上述した困難性の他、3〜5割の企業で問題点として指摘している点は、「業務遂行目標設定の困難性」の56.9%、「職務内容の限定・客観化」の38%及び「環境変化に対応した評価基準の変化の困難性」の35.5%を挙げている。

また、導入のマイナス面については、「直接業績に結びつかない仕事に手を出さなくなる」が35.5%と4割近くの企業で挙げており、その他「組織の和・協調性へのマイナス面」の20.5%、「労使関係への影響」の14.8%となっている。

 

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