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変更は能力重視や年功的賃金の是正策等を中心に行われていることがうかがわれた。

また、特に重点を置いた制度変更としては、「職務給や職能部分のウエイトを高めた」が62%で(平成7年調査は48%で14ポイント増)、断然突出したものとなっている。

以上のようにこの2年間の賃金制度の変更は、「職務給や職能部分のウエイトを高めた」及び「年齢給部分を従来より圧縮した」のほか、「賃金等級の格付を変更した」、「高齢者の賃金を従来より厳しくした」等がいずれも3割台を占めており、制度の変更はもとよりその運用面も加味して所期の目的を達成する方向となっているものと思われる。

2.従業員の業績と賃金格差

(1) 過去2年間の“従業員の業績を反映する賃金格差”の動向

企業がこの2年間に、従業員個々の業績を賃金の「上下格差の拡大」に反映させたのかどうかについては、「拡大するようにした」が43.7%(平成7年調査では38.5%)と、ほぼ半数近くの企業が従来より能力主義を強化したとしている。

(2) 業績を反映する賃金格差の今後の方向

業績を反映する賃金の上下格差についての今後の方向としては、「拡大させる方向」が73.3%(平成7年調査72.9%)と高率であった。また、「おおむね変わらない方向」は18.7%、「わからない」との回答は8%であった。

(3)賃金の上下格差が拡大した中心従業員層

ア.職位別の上下格差拡大の中心従業員層[第12表参照]

賃金の上下格差拡大の中心層を職位別にみると、「特に中心はなく管理職全般」が39%で最も高く、次いで「部次長クラス」が29%、「課長クラス」27%、「部長クラス」26%となっており、賃金の上下格差拡大の中心層は平成7年調査の場合と同様に、ほぼ管理職に絞られていることがわかる。

また、“特に重点を置いた”職位については、「部長クラス」が21%と最も高く、次いで「特に中心はなく管理職全般」と「部次長クラス」がともに16%で、平成7年調査の場合の「特に中心はなく管理職全般」から、今回調査では管理職全般でも特に「部長クラス」、「部次長クラス」の職位層を重点的に格差拡大の中心層へと変わってきたことがうかがわれた。

イ.年齢別の上下格差拡大の中心従業員層[第13表参照]

従業員の年齢別に賃金の上下格差拡大の中心層をみると、「40歳台後半」が46%と最も核となる中心をなしており、次いでその前後の「50歳台前半」が45%、「40歳台前半」が37%と中

 

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