トックおよび天然のストックの両者に関するデータが全く乏しく、また、時に全く信頼できないということがあります。
第3に、社会福祉および自然環境の現状と政策目標を分析するための指標が、時に政府の別々の省庁によって独立的に、時には相互に矛盾した形で相互に全く無関係に作成されているということであります。その結果、持続的な発展のための包括的な計画を立てることが難しくなっているわけであります。この点につきまして、最近、専門家の間や国際的な組織で多くの議論が起こっており、二人の報告者の方々も、知識の現状についての明確でよく考慮された概観を提供されております。
しかしながら、長い間、統計の様々な側面、官庁統計と理論統計にかかわってきたものとして、私はちょっと一つ警告的なことを申し上げたいと思います。
統計調査およびデータ収集については、いろいろと批判することは、実際に行うことよりも容易なわけであります。どの分野の統計においてもそうですが、特に自然環境や資源に関して、統計を作成するとか、統計調査を実施することの難しさを過小評価すべきではありません。しかし、時に、国際的な組織、例えば国連などが、あまりに精緻な、あまりに精密に構築された統計システムを発表し、多くの国々の統計局や統計組織の能力を超えるような種類の計画を提案することがあります。それ故、我々は、環境および資源に関する統計システムを構築するについて、あまりに野心的過ぎることにならないよう慎重でなければならないということであります。現実の一歩の方が、壮大な計画やあまりに包括的な計画よりも重要であります。
この点につきまして、二人の報告者は、むしろ実際的であり、野心的に過ぎていないという点で私の意見と一致いたしますし、二つの国の経験によれば、重要な特定の課題に集中する方があまりに包括的な計画を作るよりも大切であることが示唆されております。
しかし、この点から付け加えたいことは、インドネシアの石油およびガスのバランスシートには非常に感銘をうけたということであります。そこでは、非常に簡略な形ではありますが、もっとも重要な側面がまとめられております。つまり、天然資源の側面と経済の側面とが結合されております。近い将来、森林資源に関してもバランスシートが作成されればと思っております。
いずれにしましても、お二人の報告者が素晴らしい論文を発表されましたことに感謝申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
議長:竹内教授、ありがとうございました。
申し訳ありませんが、時間に関して厳しい交通規制をしなければなりません。時間が限られておりますので、もしよろしければお二人のスピーカーからご協力を頂きながら、二、三分でそれぞれコメントをいただけますでしょうか。ダムロンサクさん。
ダムロンサク:ありがとうございます。私は、持続可能性に関して、その概念フレームワークに関していまの竹内教授と同じ意見であります。