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日本の友人および演劇仲間の皆様へ

私の脚色した『クリスマス・キャロル』を上演していただけて光栄です。日本での初演を通じて、このすぐれた日本の劇団のみなさんとお知り合いになれるのは誇らしいかぎりです。
日本には歌舞伎、能、文楽など尊敬すべき演劇の長い伝統があり、とくに文楽はアメリカの演劇に今後ますます影響を与えるものとなるはずです。この長い伝統の中にほんのささやかな参加ではありますが、私の作品が紹介されることを考えると身の引き締まる思いがします。
きっとチャールズ・ディケンズも陰ながら、私とともに感謝していることでしょう。彼の霊も善意と友情の手を差しのべて、私とともにありがとうを言っていることでしょう。
神の恵みがみなさんの上にありますよう。公演の成功を祈っています!
マイケル・パラー
1997年11月6日

MlCHAEL PALLER マイケル・パラー略歴
オハイオ州クリーブランド生まれ。シラキュース大学およびコロンビア大学卒。
クリーブランド・フェニックス・シアターの創立メンバーでもあり、ロング・ウォーフ・シアター(コネティカット州ニューヘイブン)やマンハッタン・クラス・カンパニーなどで顧問ドラマターグを務める。その他、センター・レパートリー・シアター(オハイオ州クリーブランド)、ジョージ・ストリート・プレイハウス(ニュージャージー州ニュー・ブランズウィック)、バークシャー・シアター・フェスティバル(マサチューセッツ州ストックフリッジ)、ハリングトン・ステージ・カンパニー(マサチューセッツ州グレート・バりントン)などで文芸部員兼ドラマダーグを務める。マンハッタン・シアター・クラブで台本コンサルタントを、また全米芸術基金でもミュージカルとオペラ部門の台本コンサルタントを務める。ニューヨーク州芸術協議会の個人部門の審査員を務めたこともある。演劇や書籍に関する記事を、ビレジ・ボイス、ワシントン・ポスト、クリーブランド・ブレイン・ディーラー、シアター・ウィーク、アウトフレークなどの紙誌に寄稿。パラーの脚色した『クリスマス・キャロル』は、毎年アメリカのどこかで上演されており、クリーブランド・オーケストラの依頼でモーツァルトの「魔笛」の歌詞を害いたこともある。セント・マーチインズ・プレス袖から来年一月出版予定の「ラリー・クレーマーの生涯と遺産」の一章を受け持っている。(英国での出版は、カッセル社刊)最近の演出作品に、二一ル・ベル作『アウト・ザ・ウィンドウ』(ニューヨークのアリス四階劇場)がある。現在はラウンドアバウト・シアター・カンパニー(ニューヨーク市)のドラマターグを務めている。余暇には、テネシー・ウィリアムズの戯曲に関する本を執筆中。

 

 

 

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