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(財)現代演劇協会主催

第2回 国際ひとり芝居フェスティバル

「家 族」

●参加国
日本・・・・・JAPAN
英国・・・・・ENGLAND
マレーシア・・MALAYSIA
南アフリカ・・SOUTH AFRICA

日本・・・・・JAPAN
[SETSUK0]
一逝くのみぞ たゞ雲のごと一
●作・・・・吉川進 Yoshlkawa Susumu
●演出・・・村田元史 Murata Ganshl
●出演・・・伊藤和見 Ito Kazuakl

○解説 明治の終わり、27歳で死んだ石川啄木は、その若さのまま今でも日本人の心の中に申し訳なさそうにちょこんと座っている。その天才を世に遺したのは終生の友K君によれば初恋の人にして妻となった節子である。“女あり我し、ひつけに背かじと心をくだく見ればかなしも”と啄木に歌われた彼女は啄木の没後"逝くのみぞ たゞ雲のごとゆくのみぞ 涙の小がめ置土産して"と歌った。
節子は夫の死後一年の後、函館の青柳町でひっそり死んだ。享年28歳。K君―金田一京助はいう。彼女はけして「非凡なる入の如くに」振る舞うことはなかった、と。 SETSUK0―覚悟と微笑を残して逝った明治の女、石川節子はただ啄木に殉じただけの人であったろうか。金田一京助の肉声でよみがえる、天才の陰に生きたひとりの女の喜びと哀しみ。

英国・・・・・ENGLAND
[タッチング・ヘヴン]
Touching Heaven
●作・出演・・・ケイ・メラー Kay Mellor
●演出・・・・・ジュード・ケリー Jude Kelly

◎解説
労働者階級の一人の女性。この作品は子供を失った彼女の嘆きとその悲しみが周りに与えた影響をつぶさに見つめることによって家族の絆を描こうとするものです。
ダイアナ元皇太子妃の葬義の前日。主人公の女性は王政主義でもなく、とりたててダイアナ妃のファンというわけでもないが他の人々と一緒に葬儀に行こうと列車に乗込む。ウェールズ妃に同けられた大衆のあふれ出る悲しみ。その中にいて思う名もなき自分の子の死。彼女の心の中に複雑な感情が芽生え始める。
彼女は勿論、ダイアナ妃へのオマージュを語るのではなく、国家的喪失感と一般家庭の中にある悲しみを対立させ、その目を通し自分の家庭の在処を深く探り出そうとして行く。

マレーシア・・MALAYSIA
[ニョニャ]
一ババを求めて一
●作・・・・・・チン・ウェイ・コン Chin Wai Kong
●演出・出演・・ロク・ソー・キム Loke SohKim

◎解説
15世紀、マレーシアのマラッカ州ではこの地で生まれマレー語を話す中華人の文化があったことが記録されている。男たちはババと呼ばれ、女たちはニョニャと呼ばれていた。17世紀に入って裕福な中華人が移民として入ってきて彼らと結婚した。これはその子孫たちの物語。キムは現代の中華系マレーシアの女。香港、シアトルなどを旅した後、故郷のペナンに帰ってくる。町中を見るにつけ、彼女の目にはペナンの変わりつつある文化が今更のように見て取れる。キムはニョニャの友人に会う。この友人にはニョニャとしての伝統は何も残っていない。家族はもう死んでしまってひとりアパート暮らしをしている。キムは"ニョニャ"の文化、伝統がなくなっていくことを嘆く。

南アフリカ・・SOUTH AFRICA
[ラヴ・チャイルド]
Love Child
●作・出演・・・・グシナ・ムショーぺ Gcina Mhlophe
●演出・・・・・・シピーウェ・クマロ Siphiwe Khumalo

◎解説 昔々、バクーバという村での物語。その村の人々は長い間喜びと友情しか知らずに幸せに生きてきた。時は移り、隣軍の兵士がこの村を襲った。初めて知る戦の悲しみ、埋め尽くす死の予感。この悲劇が永遠に続くように思われた。そんなある日、戦火の彼方から一人の若く美しい娘が現れる。若者たちはその娘に惹かれ、女たちも“愛の娘”と呼び彼女を愛した。その娘の名は川からきた子を意味する“ノムラムボ”といった。やがて娘に恋した一人の若者が彼女を追いかける。川の下に隠された岩屋に娘は彼を迎え入れ、家族と大きな太鼓を打ちならしている老女の一群に会わせる。女たちは若者にこの魔法の太鼓を戦場で打ち「戦いをやめさせてきて」と命じる。月明かりの下、若者が不思議なリズムを打出すと戦士たちは魔法に掛かったように平和なダンスを踊り出し、村に平穏な日々が戻ってくる。その後、毎年1月の終わりにはこれを祝い、皆で「愛の娘」の歌をうたうようになった。

●開催期日
◎日本・英国/3月4日(水)・8日(日) ◎マレーシア・南アフリカ/3月11日(水)・15日(日)

◎開演時間
 平日7時/土曜2時・7時/日曜2時
◎入場料金
 一般4700円/高校生以下(当日学生証提示)2500円/男女ペアチケット8800円/通し券8400円
 〈全席指定、通し券・高校生以下・男女ペアチケットは劇団のみ発売〉
●前売開始/2月6日(金)
◎前売・予約
 劇団昴チケットコール 03-3944-7071/チケットぴあ 03-5237-9988/チケットセゾン 03-3250-9922
 ローソンチケット 03-3573-1012/FAX予約 03-3944-5458
◎お聞合せ
 (財)現代演劇協会・三百人劇場 03-3944-5451
◎日本語字幕スーパータイトル付
◎現代演劇協会・三百人劇場ホームページURL http://www.bekkoame.or.jp/~darts

三百人劇場

都営地下鉄三田線干石駅A-1出口
●新宿より20分●渋谷より25分●日比谷より12分
SANBYAKUNIN THEATER

 

 

 

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