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?T. 里山の成り立ちと自然

自然の大切さを思うとき多くの人が手付かずの自然を思い浮べることでしょう。しかし私たちが里山と呼んでいるところはそうした原生自然ではありません。人の暮らしのすぐそばにあり、利用されながら育まれてきたごく身近な自然です。

この章では里山の管理を学ぶ前に知っておきたい基礎知識として里山の成り立ちと自然環境についてをまとめました。

 

1. 里山とは

私たちが暮らす日本の多くの都市や集落では、その外周を「みどり」の山々が取り巻いており、町の中央部や周辺部に河川を、町中のいたるところに水路やその痕跡を見ることができます。

河川や水路の上流に広がる山々は、多くの場合都市のバックグランドとして、グリーンベルトを形成しており、河川に沿って発達した我国の町の成り立ちをよく現しています。

それぞれの出地帯の前面には、古くから「里」の人々によって利用されて来た雑木林が広がっており、現在の都市住民にとっての最も身近な自然となっています。私たちはこのようなアカマツ林やクヌギ・コナラ林、竹林などのことを「里山」と呼んでいます。

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