はじめに
会員の皆様におかれましては、ますますご健勝のことと存じます。
去る5月27・28日に開催されました、平成9年度「全国青年の家等施設代表者会議」には、お忙しい中、全国から多数の方にお集まりいただき、誠にありがとうございました。この会議も今年で16回目を迎え、ますます活況を呈して参りましたが、これもひとえに会員皆様の青少年育成への熱意と、当協議会への期待によるものと感謝いたしております。
さて、本年度の研究主題は「21世紀を展望した青年の家の在り方について」といたしました。青少年をとりまく環境については昨今いろいろと問題が提起されており、とりわけ、青少年が関係したさまざまな事件を契機に、「心の教育」の問題が大きくクローズアップされているという現在の状況があります。一方では、全国的な行財政改革の現実の中で、施設運営の厳しさを感じている方も少なくないかと思います。
21世紀の到来が目前に迫っております。本当に心の豊かな時代を築いていくために、学校・家庭・地域が何をすべきかということを真剣に考えなければなりません。また、学校週5日制の完全実施への対応も同様に考え併せると、青年の家に対する時代の要請は大変に大きなものがあります。このような状況の中、4つの分科会で、それぞれのテーマのもと、我々は何ができるか、何をしなければならないのか、という議論が熱っぽく語られました。
平成9年8月、小杉文部大臣から中央教育審議会に「幼児期からの心の教育の在り方について」が諮問されましたが、その骨子の一つが『家庭・地域社会・関係機関が連携・協力して取り組む心の教育の在り方』です。これは青年の家の在り方とも密接に関わってくる内容であり、参加者の皆様もそれぞれの施設においてさまざまな実践を行っておいでかと思います。
青年の家は「生きる力」をはぐくむための重要な拠点としての機能を数多く持っております。青少年を取りまく環境が憂慮すべき状況になっている今こそ、青年の家から改革の風を教育界に強く起こしていくべきではないかと考えます。
今回、当会議の報告書をまとめましたが、この報告書が全国の各ブロックの研修会をはじめ、各青年の家において今後の教育活動の推進に役立てられることを期待しております。
最後に、本会議における特別講演の服部幸應先生、基調講演の鈴木弘喜先生、解説の明石要一先生、並びに、ご挨拶をいただいた草原克豪前文部省生涯学習局長に心からお礼申し上げます。また、本会議の開催をご支援くださいました(財)日本船舶振興会に感謝申し上げます。
平成9年10月
社団法人 全国青年の家協議会
会長 若林元