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2 防災関連調査報告書(文字・数値のほか,知見情報を主体とする資料)

 

(1)対象とするデータの属性・形式等の特性

 

防災関連調査報告書は,基本的に文字・数値情報を主体とした資料である。ここでいう防災関連調査報告書のテーマは非常に多岐にわたり,調査研究に携わる機関も相当機関あるため,これらの資料は,膨大な情報量となっているといえよう。

掲載データの形態をみると,文字・数値情報が主体であるものの,これらを視覚化した図表(グラフ,フローチャート,集計表等)を利用したり,写真・地図等の画像情報を多用するなど,ビジュアル化の傾向が高まっている。

しかしながら,これらの資料は,文字・数値データにしても,単なるテキストデータではなく,調査研究成果を集約した知見情報と位置づけられるデータとして作成され,これらが随所に組み込まれているところに特徴がある。

 

(2)対象とするデータの情報量・保持形態等の特性

 

一冊の防災関連調査報告書の情報量は,概ね200〜300頁相当(1頁につき,漢字にして1000文字相当と換算すると,文字による情報量は概ね20万文字〜30万文字)。但し,文字以外の図表・画像情報等については,地域防災計画等と同様,データの処理方法にもよるが,デジタル化に際しては相当の容量となるものと考えられる。

データの保持形態については,概ね紙媒体(印刷物)となるが,最近はこれに加えて,フロッピーによる保持形態とするものも多くなっている。

 

(3)デジタル化傾向の概況

 

近年の防災関連調査報告書の作成過程をみると,ワープロソフトや計算ソフト(表計算ソフトや高度な科学技術計算ソフト含む),その他各種ソフト(データベースソフト,アンケート集計処理ソフト等)を活用して作成されることが多い。但し,これらのデータそのものが,作成者以外に提供されることは少ない。

また,従来このような防災関連調査報告書を入手したり,利用しようとする場合は,刊行物(印刷物)として作成された計画書を直接観光機関から入手するほか,公共図書館や研究機関等において閲覧するなどの方法方法が一般的である。  ‐

この場合,デジタル化がそれほど進んでいない現状から,デジタル化された調査報告書の内容そのものの入手は困難だが,資料のタイトルや抄録については,科学技術文献情報検索システム(JICST)等をはじめとする各種商用データベースを活用するほか,インターネット上に公開している各種サイトを通じて防災図書のリストを検索し,入手することが可能になっている。

 

 

 

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