消防庁長官 佐野徹治
我が国の消防は、昭和23年に消防組織法の施行により自治体消防として発足して以来、50周年を迎えようとしていますが、この間、関係各位のたゆまぬ御努力の積み重ねにより、組織、施設、装備等の各般にわたり、着実な発展を遂げ、国民生活の基盤となる安全の確保に大きな役割を果たしています。
その一方で、平成7年1月の戦後最大の被害をもたらした阪神・淡路大震災をはじめとして、住民の安全をおびやかす災害が相次いで発生しており、国民の防災に対する関心は、かつてないほどの高まりを見せております。
消防庁としては、国民の期待に応えるため、消防防災体制の充実等、災害に強い安全なまちづくりを積極的に推進しているところでありますが、大規模災害から生活を守るためには、個人や家庭における日頃からの備えや地域社会における防災への取組を広げていくことが重要です。また、社会経済情勢が大きく変化していく中、国民の安全の確保をさらに確実なものにしていくために、この50周年の機会を捉えて、今後の消防の在り方について考えることは、誠に意義のあることだと考えます。
今回の「自治体消防50年 全国縦断シンポジウム」は、自治体消防50年記念事業の一環として、各地における様々な災害からの教訓を踏まえながら、大規模災害にいかに備えるかを考えるとともに、将来の消防の方向性について議論を深めるため、全国8箇所で開催するものです。このシンポジウムの開催によって、広く防災意識の高揚が図られることを願うとともに、国民の皆様の消防に関する理解が一層深められることを期待します。