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第一部 国と地方の税源配分のあり方について

 

1 は じ め に

 

地方分権の推進が時代の要請となっている中で、地方公共団体が自主的、自立的な行財政運営ができるよう、地方税源の充実確保が求められている。

地方分権の推進のためには、地方の財政基盤を確立することが必要となるが、地方税は地方公共団体の歳入の基幹となるものであり、地方公共団体の責任ある運営を保障するため必要不可欠である。また、地方税は、住民の行政への理解と関心を深め、受益と負担の意識を高める観点から、地方自治の基盤となるものである。このような意味から、地方分権の実現は、地方税の充実の成否にかかっているといっても過言ではない。

このような考え方のもと、本委員会では、分権型社会にふさわしい地方税体系を構築するという観点から、国と地方の税源配分のあり方について検討を行ったものである。

 

2 地方税制の現状と課題

 

(1) 国と地方の税源配分の状況

 

平成8年度における我が国の租税総額は90兆3,198億円で、そのうち地方税は35兆937億円、租税総額の38.9%を占めている。(資料1 租税総額に占める地方税の割合)

租税総額に占める地方税の割合は、シャウプ勧告に基づく税制改正が実施された昭和25年度では24.8%であったが、その後若干変動はあるものの総体的に増加の傾向にあり、近年は国税と地方税の割合はおおむね2:1で推移している。(資料2 国と地方の税源配分の推移)

国と地方の税源配分の状況は、国と地方公共団体の役割分担や国・地方を通じた歳出の状況と関連づけて見る必要がある。国及び地方の歳出の状況については、平成8年度における国と地方の歳出純計額151兆4,052億円のうち、地方の歳出は97兆7,567億円であり、全体の64.6%を占めている。(資料3 歳出面での国と地方の割合)。

 

 

 

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