横浜市における環境行政の現状と課題
横浜市企画局部次長(プロジェクト推進室プロジェクト推進担当課長)
立 花 誠
1 省資源・廃棄物対策の推進
(1)一般廃棄物対策の推進
平成4年9月に廃棄物の適正処理,廃棄物の発生抑制再利用等の推進を前提に廃棄物の一元管理を基本理念とした「横浜市廃棄物等の減量化・資源化及び適正処理等に関する条例」を制定し,新たに平成22年を目標年次としたごみ処理の総合計画である「横浜市一般廃棄物処理計画」を策定した。「処理計画」の実施に際しては,5年を1期とする「推進計画」及び単年度単位の「実施計画」を策定しており,「第2期推進計画(平成9〜13年度)」では,「ごみの減量化・資源化の推進」「ごみの適正処理の推進」「清潔できれいな街づくりの推進」を施策体系に掲げ,具体的な事業展開を図っている。
? 事業者回収・リサイクルの推進
食品容器としての「リターナブルびん」・「ワンウェイびん」・「アルミ缶」・「スチール缶」・「ペットボトル」・「紙パック」及び「事業活動に伴って発生した古紙価」の7品目について再生利用等促進物(廃棄物条例第16条:製造・加工・販売事業者の責任と負担による回収リサイクルを求めるもの)として指定し,事業者による自主回収の推進を図っている。
? 生ごみの減量化・資源化
生ごみをたい肥化し有効活用を図るため,一般家庭へのコンポスト容器の購入助成や集合住宅型コンポスト設備の設置モデルの実施,実践的な環境教育の推進を含めた小学校等への大型コンポスト設備の設置を進めている。また,将来的な地域リサイクルシステムの確立に向け,事業系生ごみを対象とした実証実験を並行して進めている。
? 資源デポシステムの構築
資源物のより一層の回収とごみの減量化を推進するため,資源物を容易に出せる常設の資源回収拠点(資源デポ)を設置し,市民の持ち込みによる資源物の回収を行っている。回収品目は,紙類,布類,缶類、びん類(ワンウェイびん,リターナブルびん)。
(2) 産業廃棄物対策の推進
産業廃棄物の適正な処理・処分及び資源化を図るため,5年ごとに「横浜市産業廃棄物処理指導計画」を策定し、これに基づいて事業者等を指導している。「第3次処理指導計画(平成8〜12年度)」では,「産業廃棄物の発生抑制,資源化,減量化の推進」,「産業廃棄物の適正処理の推進による環境汚染の防止」「産業廃棄物処理施設の整備の促進」,「災害時における災害廃棄物対策」の4つの目標を掲げ,具体的な事業展開を図っている。
? 廃棄物自主管理計画の策定指導
廃棄物の発生抑制,減量化,資源化,適正処理を推進するため,多量排出事業所に対して廃棄物自主管理計画の策定を指導している。特に,この計画の中で廃棄物化回避などを考慮した廃棄物自主管理の実施を求め,廃棄物の発生源まで遡った自主管理を充実させることにより廃棄物の減量化を促進している。
? 廃棄物交換システムの推進
事業者から排出される廃棄物を,資源として希望する事業者にあっ旋することで,廃棄物の再利用を進める廃棄物交換システムの運営継続普及拡大に努めている。
? 産業廃棄物情報提供システムの構築
製造業を中心とした市内主要事業所と許可処理業者の情報及び各種報告書の情報などを,コンピューターによるデータ管理・処理する産業廃棄物情報管理システムの機能を拡充して,産業廃棄物の減量化,資源化及び適正処理などに関する情報を,事業者,処理業者及び市民に提供する産業廃棄物情報提供システムの構築に向けた調査・検討を進めている。