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(3)河川・東京湾の水質向上のための下水道整備

現在、東京湾及び多摩川において、水質に係る環境基準を達成できておらず、特に東京湾の富栄養化の原因である窒素・りんの削減が課題となっている。重点計画では、水質向上に最も効果の高い隅田川水系沿岸・多摩川沿岸に重点化して、高度処理施設の導入を行っていくこととした。また、あわせて合流式下水道からの降雨初期の汚水の越流を防ぐために、管きょの能力増強や一時貯留施設の設置を行っていく予定である。

 

6 緑の保全

東京(島しょを除く)の土地利用状況を見ると、林地、草地、農地、河川等の割合は49%である。また、土地が樹木や草などで覆われている割合である緑被率では60%となっている。

緑豊かで快適な生活環境をもつ東京を実現するため、東京都は、昭和59年に緑の倍増計画を策定した。21世紀に向けて達成すべき長期基本目標のひとつとして、都民1人あたりの公園面積6?(昭和58年度末3?)を掲げて、整備を進めてきた。その結果、平成8年度末までに2,000ha以上公園の面積が増加し、都民1人あたりでも5?にまで伸びたものの、森林や農地が減少し緑全体では、減少傾向が続いている。

その主な原因として、従来の施策が、都市計画、自然保護、公園整備、農林業振興、港湾整備といった個別分野で進められてきたために、効果的なネットワーク形成が図られなかったこと、緑の保全・創出が行政や緑の所有者を中心に進められてきたことに着目した。重点計画では、緑を総合的かつ効率的に保全・創出するしくみをつくるとともに、都民と行政が連携するしくみを強化することを目的として、次の4点を踏まえた緑のネットワーク計画(仮称)を平成12年度に策定することとした。

(1)水や大気の循環などの視点を考慮した緑の量と配置の方針の決定

(2)各分野の計画の統合化と事業の総合化の推進

(3)都民参加による緑の保全・創出のしくみの強化

(4)拠点となる緑を、小規模な公園や河川などで結ぶネットワークの形成

なお、保全すべき緑すべてを公有地するのは財政的に困難なため、10年度から3か年では、緑の拠点として、周辺区部の河川沿いに重点化して緑を確保し、順次都立公園として整備・開園していく。

 

 

 

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