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6. 作業場管理

 

6.1 作業場の配置

修繕作業場における作業場の配置は,機能別配置(同種機能の作業を集中する)で機械場,分解洗浄場,修理組立場,試験・計測場などの単位で構成する。

その長所は,?少ない設備投資で稼動率が向上する,?多品種少量生産に最適,?需要の変化に楽に対応できる,?作業者熟練の向上が計れる,?欠品・故障・欠勤があっても調整が楽にできる,?変更や特急品対策への融通が楽にできる。

また,作業配置の改善方向としては,?通路は十分な幅をとり白線で明示する,?物の積込み・積下ろしを少なくする,?運搬距離を短くする,?運搬は機械化・自動化する,?入力運搬を極力少なくする,?工程の停滞や仕掛品を少なくする,?作業の安全を優先させる,?環境管理を徹底する,?職場の照明を十分考慮する。

 

6.2 安全管理

安全管理で最も重要な事柄は,整理整頓・安全点検・安全作業手順の確立・安全教育であり,これら一連の活動を円滑に実施し,活動の評価を適切に行うことである。

(1) 整理整頓は安全管理の基礎的なものであり,その理想的な状態は作業標準の注意事項に組み込まれ,かつ,作業と整理整頓が同期化していることであり,特別な整理整頓作業の必要がない状態を保つことである。

(2) 安全点検は作業者個人が行う場合,複数で共同して行う場合,管理責任者が日常点検する場合,会社として組織的に行う場合などがある,その体制に応じて責任範囲の明確化と点検チェックリストの整備及び作業開始時と作業終了時の点検報告制度を定め,確実に実施統制することが必要である。

(3) 安全作業手順の確立は,落下・衝突・墜落・巻き込み・挟み・切る・潰す・切断・圧迫・突き刺し・剥げるなど,災害発生の可能性を考慮し,危険注意と対策を安全作業手順としてまとめ,指導監督を強化することが必要である。

(4) 安全教育は,修繕作業の特性や,禁止事項などについての安全教育と,特定の職場における特殊性についての補充教育に分け,整理整頓・安全点検・安全作業手順を中心に定期的な教育訓練を行うことが必要である。

 

6.3 倉庫管理

従来の固定倉庫から移動倉庫に転換している状況では,倉庫の機能や役割も,総合的管理と密接かつ重要な関係にあるので,経営者・工事管理者を始め全体の思想統一を図り,合理化に取り組む必要がある。

修繕事業場の特性にそった倉庫管理方式は,管理区分に基づく移動式倉庫が望ましいと考えられる。管理区分に基づく方式とは,「主要部品・補助部品」ならびに「大中型部品・小型部品・消耗品」または「非常備品」などの区分により仕訳し管理することで,移動棚を利用し,必要に応じて工程を移動させ,作業能率の向上を図り,同時に適正在庫管理や在庫品品質管理及び効果的な受払管理など合理的に活用すべきである。

 

 

 

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