5.2 作業計画
経済的で効率的な修繕工事を維持し,厳しい競争に対処し,ユーザやメーカの信頼を得て,事業場の経営を維持・発展させるためには,品質・価格・納期に対する絶えざる改善努力を惜しまぬことである。また,作業方法や作業時間の改善,機械性能や作業者技能の向上,良い作業環境の維持・改善などについて,常に研究改善を進め標準化を促進することが必要である。
作業計画の確立については,最短期間・最良方法・適正品質・適正コストなどの条件を十分に満たした内容とし,適切な教育訓練のもとに,最適な作業が実施されるよう考慮すべきである。
5.3 作業統制
作業計画を確実に実施することを基本とした,標準作業の厳守,標準時間の維持,適正品質・適正コストの維持,納期の達成などを図るためには,絶えざる改善活動と教育訓練を定期的・計画的に実施することである。
5.4 教育訓練
従来,メーカによる技術講習や実地指導が教育の手段であったが,修繕事業場の発展のためには独自の教育訓練制度を確立して,人材育成に努力しなければならない。教育訓練制度としては色々な方式が考えられるが,企業内訓練制度としては,職場内訓練(on the job training-OJT教育)が最適である。これは指導者と部下が1対1で,日常業務を通して随時行う訓練で,抽象的・概念的にならず実際的な指導を中心としたものである。
また企業外訓練制度としては,各都道府県の職業訓練機関で実施する教育訓練を活用することである。この教育は専門技術・管理技術が中心であり,生涯能力開発給付金制度の恩典もあり,企業にとっての効果は大である。
5.5 環境管理
特に作業環境管理の課題としては,物理的作業環境として,照明・温湿度・塵埃・騒音・振動・有害ガス・有害輻射線・気圧・換気などがあり,心理的作業環境として,圧迫感・危険度・雰囲気などがある。
人間の尊厳性や作業者の満足を求めて,作業能率低下防止や離職防止ならびに健全化を図ることが重要である。