4.2 修繕工事計画の重点
(1) 修繕工事計画の確立について
修繕事業場における経済的,かつ,合理的な作業を推進するためには,修繕工事計画の確立を図ることが最も重要である。
特に修繕に関する技術情報管理,工程能力管理,設備精度管理及び技術教育の徹底などは,修繕工事の運用に欠かせぬ基本的な事柄であり,これらの収集や充実の強化を図ることが必要である。
修繕工事計画の確立を図るために必要な資料として,次に述べる「特性要因図-経済的,効率的な修繕工事」,「修繕工事手順」,「総合工事計画表」などを参照されたい。
(2) 工事の進め方について
修繕工事の内容については,船主,監督,機関長などから機器の状態をよく聴取し,機器のデータをログブックなどで調査の上,陸上公試時のデータと比較分析して,機器の現状を把握しておくことが必要である。
また,検査については,定期検査・中間検査・臨時検査の種類を明確にし,修繕事業場で関係書類を作成して,検査機関に提出できるよう対処すると共に受検の日時を確定しておかねばならない。
4.3 修繕工事統制
修繕工事は,顧客や市場の要請により決定される品質・納期・価格を満足させると共に,経済的,かつ,能率的に修繕作業を行うために,計画し,統制する管理技法を活用することが必要である。
工事統制は,進度統制,現物統制,余力統制・資料統制・受検日統制であるが,その内容は次の通りである。
(1)進度統制では計画の進度調査と遅延対策を適切に管理する。
(2)現物統制では工事に必要な部分の品質・員数・納期・供給を管理する。
(3)余力統制では作業の遅延を回復するために工程の能力・負荷・余力を管理する。
(4)資料統制では改造修理を必要とする事故原因・苦情原因・改造改良対策など技術的資料の収集・整理・統計的解析・報告などを管理する。
(5)受検日統制では検査機関に申請した受検日を遅延なく管理する。