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(4) Q.C.D.S.

上記の品質についての見方とは,別に次の見方も重要である。

昔のQCの対象となるQは狭い意味で解釈されていたが,最近では広い意味で,次のようにQを把える必要がある。

Qとは,Q(Quality-品質)と,C.(Cost.-原価)とD(De livery-納期)と,S(Safety-安全)を加えたもの,Q.C.D.SをQと解釈して,これらを同時に満足しなければならない時代である。

 

2.6 品質管理用語の基礎知識

品質管理で使用する基本的で重要な用語をJ I S Z 8101より引用してつぎに述べる。

(1) 品質と品質特性

品質とは「品物又はサービスが,使用目的を満たしているかどうかを決定するための評価となる固有の性質・性能の全体」をいう。また,

?品質又はサービスが使用目的を満たしているかどうかを判定する際に,その品物又はサービスが社会に及ぼす影響についても考慮する必要がある。

?品質は品質特性によって構成される。例えば,一般照明用蛍光ランプの品質には,消費電力,径,長さ,口金の形状・寸法,始動特性,初特性,光束維持率,寿命,口金接着強さ,光源色,外観などの品質特性が含まれる。

品質特性とは,この品質評価の対象となる性質・性能のことである。

最近の品質と品質特性の関係を前節の図2に示した。

(2) 真の特性と代用特性

品質特性は真の特性と代用特性に分けられる。真の特性とは, お客が要求している品質のことで実用特性ともいう。代用特性は真の特性の原因になるものであり,要求される品質特性を直接測定することが困難なため,その代用として用いる他の品質特性である。

(3) 設計品質と製造品質

新製品を開発する場合に,製造業者では顧客の要望,市場,経済性,技術の程度,機械・設備の能力などを考えて,どのような品質のものをつくるかを決める。これは設計者,設計部門,生産技術部門,品質管理部門が,製品規格,製作図面,製作仕様書,検査規格などに,材料,寸法,表面の仕上がり,塗装・重量などの物理的な特性,化学的な特性,機械的な特性,性能的な特性あるいは官能的な特性などで決める。この製造の目標としてねらった品質を設計品質といい,ねらいの品質ともいう。

これに対して使用者が要求する品質又は品質に対する使用者の要求度合いを使用品質(fitness for use)という。設計品質を企画するときは,使用品質を十分に考慮する必要がある。

 

 

 

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