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1. 船の要目
(1) 喫水:(d)及び 乾げん:(f)
喫水とは、竜骨(キール)の下面から水面までの垂直距離をいう。この場合げん側に画く水面線を喫水線という。船の船首及び船尾の両げんに標示されている喫水標示を、それぞれ船首喫水及び船尾喫水と呼び、大型船ではその中央にも船体中央喫水が標示されている。満載喫水とは、船の長さの中央において指定された喫水線まで沈んだときの喫水であり、その時の水面線を満載喫水線といい、これ以上深い喫水で航行することは許されない。
乾げんとは、船体の中央部げん側で、満載喫水線から乾げん甲板(通常は上甲板)の上面の延長とげん側外板の外面との交点までの距離をいい、船の予備浮力を示す基準となり、積荷の上限を定めるため、船体の中央部両げん側に乾げん標(フリーボード・マーク)と呼ばれる標示がなされる。
(2) 主要寸法
(a) 長さ: L
一般に、船舶法で規定され船舶原簿に登録される長さをいい、特別の場合を除き法規で船の長さという場合は、主としてこの長さが使われる。図2に示されているように、上甲板の下面で船首材の前面から、船尾材の後面までの水平距離である。また、船の前端から後端までの水平距離を全長(LoA)といい、計画満載喫水線を基礎とした船の部材設計、強度計算等に使用される長さを垂線間長(Lpp)という。
(b) 幅: B
船の幅とは、船体最広部における肋骨の外面から外面までの水平距離であり、型幅ともらわれ、全幅という場合は外板の外面から外面までの水平距離のことである。
(c) 深さ: D
船の深さとは、長さの中央においてキールの上面から上甲板のげん側における甲板下面までの垂直距離をいい、型深さとも呼ばれる。
以上、図2を参照のこと。
(3) トン数
1969年トン数条約が制定され、トン数の測度について国際的統一が行われた。わが国もこの条約を受け入れ、昭和55年5月6日付で「船舶のトン数の測度に関する法律」(新法という)が交付された。
新法では、国際総トン数、総トン数、純トン数、載貨重量トン数の各トン数の測度の基準を定める技術的事項と国際航海に従事する船舶に対して交付する国際トン数証書に関する事項を規定している。
従来のトン数は船舶の蔽囲された場所から航海に関する所定の場所を差引くことによって、その容積の100立方呎を1トンとして船の大きさを示めす総トン数や積荷能力を示かす純トン数を算定していたが、新法による各卜ン数は次のように定義されるものとなった。