大気圧変化に対して圧力補正しなければ正しい値が得られない事が分かる。
〔正しい圧力〕=〔測定圧〕+〔大気圧変化量〕……………(3)
なお試験場の気密が高くかつ換気した場合は室内の圧力はさらに変化する、当然同室内で大気圧測定するか、換気を止めて同一条件にする必要がある。
(2) 温度変化
気温1℃変化したとき、気室の圧力変化を調べる。ただし、ここで大気圧は標準大気圧760mmHgで考える。
(a) 本体気室内圧100mmHgの場合
内圧100mmHgは絶対圧力では
760+100=860mmHg
?式で: t=+1℃、Po=860mmHg、V=Vo(容積変化なし)
とする。
P=860×(1+1/273)=863.2
温度変化前後の圧力差をxとすれば
1℃当り圧力差x=863.2-860=3.2mmHg
(b) 床気室30mmHgの場合
前項と同様に
内圧(絶対値)760+30=790mmHg
(4)式でt=1℃、Po=790mmHg、V=Voとすると
P=790×(1+1/273)=792.9mmHg
1℃当り圧力差x=792.9-790=2.9mmHg
以上のようなことより救命いかだにおいては温度1℃当り約3mmHgの圧力上昇があることが分かる。したがってこの変化に対して補正が必要となる。
(3) 容積変化
通常の試験の範囲では、予備試験によって事前に容積変化を起こさせているので、変化は無視出来る。ただし圧力変化が大きい場合には、この補正が必要となる。例えば温度変化が非常に大きい場合には容積変化を無視出来ない。ところが救命具での容積補正は現場的には出来ないので、試験場は出来るだけ開始前に近い条件に保ち、圧力変化を小さくおさえる必要がある。
3. 気室圧力測定値補正のまとめ
以上のようなことから、測定した気室圧力に対して
の補正をする。