この撃針の直線運動によりポンペ取付部にネジ込まれてあるボンベ口金の封板を突き破る。その後撃針はスプリングの力およびガス噴射圧の力でカムの形状なりに戻って封板にガスの流出口ができる。
ボンベ取付部および連絡金具取付部にはパッキングを設けてシールする形式とパッキングを設けずに直接金属同志の接触でシールさせる形式があり、それぞれメーカーによって異なる。いづれの形式に於いてもシールを保つためには当然締付力が異なる。パッキングの有.無は締付力が大きく違うことを認識すること。間違って逆の手当をすると漏洩するばかりか破損させることになるので取扱いには充分注意すること。
(C) 不還弁
不還弁の目的は、ガスボンベのガスをいかだの気室内に導き入れることと、一旦入ったガスの逆流を防ぐことである。
不還弁の機能を整備の時に確認する時期はいかだを初めて膨脹を行う膨脹状態での点検時に行うのが一般的で、圧縮空気をカット装置取付部から送気し、膨み、縮みにより弁体の機能の適・否をみる。
不還弁は、いかだ側の不還弁弁座と一本化して構成されている。
連結金具部は、不還弁弁座から取り外しができ、金具の底部には弁(ゴム弁)が取付けられている。弁は、点検時に交換可能な構造となっているが、メーカーによっては連結金具の取外しによる点検整備を要求していないところもあるので、取扱い方には注意を要する。不還弁弁座は、弁座ゴムと弁座金具から構成され、いかだ気室側に強固に接着されており、通常便座ゴム部は補強パッチ(ゴム布)で覆われている。