2. 模型実験
2.1 実験計画
開水中と氷中での船の性能を以下の様に設定し、これらの性能を確認するために表2.1に示す模型実験を計画した。
・開水域航海速力 17knots
・氷中連続砕氷能力 3knots (厚さ1.2mの平坦氷中)
まず、氷中では、氷中抵抗の確認及び推進効率と所要馬力の推定並びにプロペラと砕氷片の干渉度を調べるために、氷中抵抗試験、氷中自航試験を行った。また、氷丘脈突破時の消費エネルギーを求め氷丘突破性能を評価するために氷丘脈抵抗試験を行った。氷質試験は各氷中試験に併せて行い、氷厚、曲げ強度、氷密度を計測した。
開水中では、プロペラ単独試験、抵抗試験、自航試験を、プロペラの諸性能、所要馬力並びに航海速力を確認するために行った。荷重度変更試験は、氷中での自航点予測及びプロペラと氷片の干渉度の基礎データを得るために行った。旋回試験は、平水中での旋回性能を調べるため、また波浪中試験では波浪中のスラスト増加(抵抗増加)、船体運動、波浪荷重等を調べるために行った。なお、氷丘脈中抵抗試験、開水中の波浪中試験については船舶技術研究所(SRI)が担当した。表2.1に試験項目と試験点数の計画案を示す。