平成5年度に開発されたプロペラ(参考文献3.2.2)と比較すると、ピッチ比が少し低いにもかかわらず、プロペラ効率が若干向上し改良されている。これは、プロペラのボス比やプロペラ翼厚等を最適化したことにより、低速域でトルクが減少し、高速域でスラストが増加する事により達成されたと考えられる。
(2) 平水中抵抗
試験結果を図3.1.15に示す。低速接線法により求められた形状係数:1+Kを表3.3.10に示す。形状係数は船体形状のみに影響を受ける。本船は平成5〜年度に開発された船型に比べて、船体平行部の割合が長いため比較的形状係数が大きい結果となった。有効馬力曲線を図3.3.16に示す。航海速力17knotでの有効馬力は満載状態で13,350PS、バラスト状態で11,100PSとなった。
(3) 自航要素及び伝達馬力
自航試験より求められた自航要素ηR、1-t、1-wを図3.3.17に示す。これらの結果を用いて平水中所用馬力(DHP)を推定した。馬力推定法は一般に良く用いられる解析的手法であり、その概要を以下に示す。
・抵抗試験結果を三次元外挿法を用いて解析した。
・摩擦抵抗曲線はSchoenherr lineを用いた。
・形状影響係数は低速接線法を用いて決定した。
・?CFは満載状態で0.00016、バラスト状態で0.00026とした。
・風圧抵抗は考慮しない。
・伴流修正係数ε=(1-Ws)/(1-Wt)は満載状態で1.113、バラスト状態で1.231とした。
(矢崎チャートによる)